2024.03.06
インパクトドライバーは飛行機で持ち運べる?機内持ち込みはNGかなど詳しく解説!
「インパクトドライバーは飛行機で持ち運べる?」
「インパクトドライバーの機内持ち込みは問題ない?」
「インパクトドライバーで持ち込みがNGのケースはある?」
様々なシーンで活躍してくれるインパクトドライバーだからこそ、人によっては遠方で活用するケースも出てくることでしょう。
飛行機に仕事道具として持ち込み現場へ向かう人もいれば、家族や友人に頼まれてプライベートで愛用のインパクトドライバーを持ち運び、何かしらの作業を行う人もいるかもしれません。
そんな遠方へと持ち運ぶ際に「飛行機への持ち込みは問題がないのか?」と気になる人も多いようです。
そこで今回は、インパクトドライバーは飛行機で持ち運べるのか、機内への持ち込みは問題ないのかなどについて、わかりやすく解説をしていきたいと思います。
万が一にも飛行機での持ち込み・持ち運び時にトラブルなどがないように、当ページの各項目を参考にしてみてください。
目次
それでは、そもそもインパクトドライバーは飛行機に持ち込み可能かという点について、わかりやすく解説をしていきましょう。
機内への持ち込みがNGと聞いたことがある人もいれば、飛行機へ持ち込んでも問題ないとの声を聞いたことがある人もいることでしょう。
具体的にどのようなルール・基準・規定があるのかなどについても触れていきますので、各項目をチェックしてみてください。
まずインパクトドライバーは飛行機で持ち運び・持ち込みは問題なく可能です。
ただし後述する「バッテリー容量などの基準」をクリアしていることが条件ですが、インパクトドライバーを飛行機で運べないということはありません。
インパクトドライバーをはじめ電動工具は飛行機NGとのイメージを持っている人もいるかもしれませんが、基準を満たせば問題なく持ち運びできると覚えておきましょう。
次にインパクトドライバーは航空危険物の対象になるケースがある、という点について触れていきます。
これが先の項目でも少し触れた「バッテリー容量などの基準」に関連する部分なのですが、インパクトドライバーはリチウムイオンバッテリー搭載のモデルが多いため、航空危険物の対象になるケースが多いのです。
これはインパクトドライバー以外の電動工具、またスマートフォンなどにも言えることですが、リチウムイオンバッテリー(または一体型機器など)は国際連合が定める「国際連合危険物輸送勧告 9の分類と区分に該当する物質」に指定されているのです。
簡単に言えば爆発や火災により航空機の安全運行に影響を与えたり、施設などに損傷を与える恐れがあるため「持ち込み制限」がかかってしまうのです。
電動工具のリチウムイオンバッテリーはスマートフォンなどのバッテリーよりも容量が大きいため、一部の大容量バッテリー(または大容量バッテリー搭載モデル)などは機内持ち込みが制限されてしまいます。
そのあたりの基準について知らないと、飛行機に搭乗するより前の段階で止められてしまうこともあるため、次の項目で解説していく内容にもしっかりと目を通していきましょう。
ここから肝心の飛行機にインパクトドライバーを持ち込む場合について解説していきます。
飛行機にインパクトドライバーをはじめ電動工具を持ち込む場合には、バッテリーが「本体内蔵型」か「外部バッテリー式(取付・着脱タイプ)」のいずれかで、下記のように持ち込みの可否が変わります。
バッテリ容量 (Wh) |
機内 お持ち込み |
預け荷物 | |
本体内蔵型 | 160Wh以下 | 〇 | 〇 |
161Wh以上 | × | × | |
予備蓄電池 | 100Wh以下 | 〇 | × |
101Wh以上 160Wh以下 |
2個まで | × | |
161Wh以上 | × | × |
ちなみにインパクトドライバーの場合は他の電動工具と違い本体内蔵型はそこまで多くなく、バッテリー取付・着脱タイプが多いので「バッテリー単品」として認識する人が多いと思います。
そしてWhの計算をすればわかるのですが、よほど大容量のバッテリーでなければ機内持ち込みは問題ないため、ルールさえ知っておけばそこまで不安になる必要はありません。
また預け荷物の場合についても触れていきたいと思います。
先の機内持ち込みと違い、預け荷物の場合は少し基準が厳しくなっているため注意が必要です。
具体的には「本体内蔵型(160Wh以下)」であれば、インパクトドライバーに限らず電動工具なども預け荷物として預けることが可能です。
逆に言えば「160Whを超える本体内蔵型」、そして「バッテリー単品(予備電池扱い)」の場合はWhの数値を問わず預け荷物として預けることができません。
このルールについて知らない場合、預け荷物としてバッテリーを預けることができずに飛行機の搭乗に支障が出てしまうこともあるかもしれませんので、しっかりと把握しておくことが大切だと言えるでしょう。
ちなみに先に挙げた飛行機へインパクトドライバーを持ち込む際のルールですが、多くの航空会社では同じ基準を採用しています。
先のWhの数値での「機内持ち込み」「預け荷物」のルールは、国際航空運送協会(IATA)の規定を基準としているので、ほとんどの航空会社では先のルールで問題なく持ち込みが可能です。
ただ、国際線や渡航先の国の航空会社などを利用する場合には、さらに厳しい基準が適用されているケースもあるため、海外へ持ち運ぶような場合には念入りに確認する必要があるでしょう。
もしも飛行機に持ち運べない、持ち込み禁止などで緊急時の場合には手荷物カウンターなど保管料を払って1週間程度預けることができるサービスがあります。サービスを利用して処分されることを避けつつ、現地でインパクトドライバーを用意するのも選択肢の一つです。
補足としてバッテリーのWhの確認方法についても触れていきましょう。
今はバッテリーの裏面(ラベル)部分を確認すれば、Whの数値が記載されているので容量を確認することができます。
他にも「定格電圧(V)と定格容量(Ah)」をかけることでも数値を出すことができるため、「内蔵型」であったり「ラベルが薄くなっていて読めない」なんて場合も簡単に計算が可能です。工具のバッテリーでよくお使いになるバッテリの電力量(Wh)は下記のようになります。
定格電圧 (V) |
定格容量 (Ah) |
電力量 (Wh) |
18V | 5.0Ah | 90Wh |
18V | 6.0Ah | 108Wh |
36V | 2.5Ah | 90Wh |
36V | 4.0Ah | 144Wh |
基本的に機内持ち込みであれば問題ないケースが多いですが、万が一のトラブルを避けるためにもWhを確認しておくことが大切です。
ここからはインパクトドライバーの飛行機での持ち運び方法を改めてまとめていきたいと思います。
また先の項目では触れなかった「ちょっとした注意点」なども含めて解説していきますので、基準を振り返りつつ各項目をチェックしていきましょう。
まずインパクトドライバーがバッテリー内蔵型の場合についてです。
最近のモデルではあまり見ませんが、バッテリー内蔵型・一体型の場合には「機内持ち込み」「預け荷物」の両方の選択肢があります。
160Wh以下のモデルに限りますが、上記のようにどちらの選択肢でも飛行機で持ち運びが可能です。
ただしインパクトドライバーをはじめ電動工具は「先端部分・アタッチメント」などが、凶器や危険物とみなされてしまうケースもあります。
その場合には選択肢が預け荷物一択となるため、機内持ち込みとして持ち運びたい場合には事前に航空会社へ確認をしておく必要があります。
次にバッテリーを取り外せるインパクトドライバーについての解説です。
先の項目でも触れてきましたが、電動工具本体が凶器や危険物として取り扱われてしまう場合がありますので事前に確認をしていない場合は、インパクトドライバー本体は預け荷物として入れておくことをおすすめします。
また、バッテリーは預け荷物としての取り扱いがないためインパクトドライバー本体とは違い機内持ち込みでの持ち運びになります。
最近のインパクトドライバーの場合は「本体(バッテリー装着済み)+予備バッテリー数個」のようなセットになっていることが多いので、その場合は一旦バッテリーを外して、インパクトドライバー本体とバッテリーにわけて、預け荷物と機内持ち込みと別々にする必要があるのです。
意外とこの部分でうっかりしてしまう人が多いため、バッテリー着脱タイプのインパクトドライバーはもちろん電動工具を飛行機に持ち込む際には、別々の形で機内持ち込みと預け荷物に分ける必要があると覚えておきましょう!
最後に大型大容量バッテリーの場合について解説をしていきます。
結論から言えば160Whを超える大型大容量バッテリーは飛行機では持ち運ぶことができません。
以前の項目で「100Whは機内持ち込み可能、100Whを超え160Wh以下は2個までの制限、160Whを超える場合は機内持ち込み不可」と解説してきたように、160Whを超えるバッテリーは機内持ち込みが不可です。
どうしても必要な場合には、貨物危険物申請書を作成して指定されている梱包方法で発送をする必要が出てきます。
160Whを超えるバッテリーはそこまで多くありませんが、36V6.0Ahなどの大容量バッテリーは持ち込み対象外となってしまうため注意が必要です。
マキタやハイコーキ、ヒルティなどでも一部のバッテリーが上記の数値に当てはまりますので、万が一にも飛行機持ち込みNGとならないようにラベルなどで事前に数値を確認しておきましょう。
補足として国際連合危険物輸送勧告についても簡単に解説をしていきましょう。
飛行機への機内持ち込みが制限されているものはいくつかあり、それらは国際連合が定めるルールとして「国際連合危険物輸送勧告 9の分類と区分に該当する物質」に該当するものが制限対象となります。
インパクトドライバーや電動工具のバッテリーも対象となりますが、それ以外にも制限されている分類は下記のとおりです。
参照:
『ANAホームページ 危険物の分類と品目の定義について国際連合危険物輸送勧告に記載されている9つの分類区分』
火薬類 | 信号円筒や発煙筒、また爆竹や花火など火薬が入っているもの |
ガス | 喫煙用ライターや小型燃料ガスボンベ、カセットコンロ用ガスなど引火用ガスが入っているもの |
引火性液体 | アルコールやガソリン、ペイント類やインク、そして香料や接着剤なども対象となる |
可燃性物質 | マッチやセルロイド、金属粉末やリン、硫黄硫化ナトリウムなど引火性ガスを放出する物質 |
酸化性物質 | 過酸化水素や漂白剤、小型酸素発生器なども対象で、具体的には肥料や漂白剤がNG |
毒物 | 殺虫剤や消毒剤、染料や医薬品、アクリルアミドなども対象なので消毒剤や医薬品には注意が必要 |
放射線物質 | 一般人には無関係だが、医療従事者の放射能量の限定された放射性物質、計器、機器等が対象 |
腐食性物質 | 塩酸や水酸化ナトリウム、水銀や液体バッテリー、蓄電池などが対象なので、電動工具使用者は注意が必要 |
その他 | モバイルバッテリーやPCの電池、リチウムイオン電池バッテリーを採用している家電製品なども対象となるために注意が必要 |
そして「鉄砲や刀剣などの凶器」も対象となるため、刃物を搭載している電動工具やアタッチメントなども対象になることがあります。
直接的に関係がある分類・区分は人それぞれですが、インパクトドライバーをはじめとする電動工具類が対象になることは多いので、本体やバッテリーに限らずアタッチメント・パーツなどの持ち込み時にも注意が必要だと覚えておきましょう。
今回はインパクトドライバーの飛行機への持ち込みについて、色々な視点で解説をしてきました。
インパクトドライバーはバッテリー内蔵型が少ないため、現行モデルをお持ちの人であれば多くの場合で「インパクトドライバー本体・バッテリーは、機内持ち込み・預け荷物で別分類」として持ち込む必要があるという点を覚えておきましょう。
その上で万が一にもインパクトドライバーのバッテリー容量が160Whを超えることがないように、裏面(ラベル)を確認して数値を把握しておくことも大切です。
基本的に上記の点さえ問題がなければ、お仕事でインパクトドライバーを持ち運び、飛行機で遠方の現場に向かう場合も特に問題が起こることはないでしょう。
また繰り返しになりますがインパクトドライバーは本体が預け荷物、バッテリーが機内持ち込みなので、それを逆にしてしまうことがないように注意が必要です。
工具・電動工具は保安検査場で刃物類の危険物のように扱われ没収される可能性があるので、バッテリー以外の本体やアタッチメントは機内持ち込みではなく預け荷物に入れておくようにしましょう。
少し面倒に感じるかもしれませんが、どうしても飛行機で移動をする場合には色々と制限・ルールを守らなければならないため、上記の持ち込みルールをしっかりと把握してインパクトドライバーとバッテリー、またアタッチメントなどを持ち込み・持ち運びしていきましょう。
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