2023.10.20
チゼルとは?鏨やノミとの違いや特徴・活用方法から種類・おすすめまで一気に解説!
チゼルは繊細で精密さが求められる作業から、大規模な作業が必要なはつり作業など、幅広い用途で使用されている手工具です。
チゼルにはさまざまな種類があるので、持っておくと便利な工具ですが、チゼルは「鏨(たがね)」と呼ばれることもあり、チゼルと鏨の違いや、よく似たノミとの違いがわかりにくいですよね。
そこで今回は、チゼルについて以下のことがわかる内容になっています。
・チゼルと鏨・ノミの違いや用途・特徴
・チゼルの種類9種
・はつり機との違いや使い分け方
・おすすめチゼル各種18選
「チゼルについて知りたい」「チゼルと鏨・ノミとの違いを知りたい」という方に役立つ内容になっていますので、ぜひご参考にしてください。
目次
古代を舞台にした映画などでよく見られる、発掘や掘削作業の際に使用されているチゼルは、鋭利な刃の反対側をハンマーで打ち付けて、コンクリートや石などを削っていく工具です。
このチゼルは、場合によっては「鏨(タガネ)」と表記されることもあるので、チゼルと鏨の違いについて悩む方も多いのではないでしょうか。
ここからはチゼルと鏨の違い、5つの活用方法、チゼルとよく似たノミとの違いについて解説していきます。
チゼルと鏨の違いが論じられることがありますが、結論を言うとチゼルと鏨は同じ工具です。
鏨を英語に訳すと「chisel」になるので、同一のものと考えて良いでしょう。
商品名としては鏨と言ったり、チゼルと表記したりと異なりますが、用途では少し異なる場合があります。
例えば、銅板を切断する用途のものは「タガネ」、スポット溶接の剥がしや、錆びたボルトの切断などは「チゼル」というように呼び方で分ける場合もあります。
また、電動や油圧ブレーカーに装着して使用するチゼルもあるので、この場合は統一して「チゼル」と呼ばれています
チゼル(鏨)は、おおむね以下の作業で活躍する工具です。
・コンクリートの粉砕(はつり作業)
・鉄板の切断や曲げ加工
・貴金属などの表面装飾
・アーク溶接のバリ取り
・スポット溶接の剥がし など
チゼルは、主に上記5つの作業で活用することができます。
まず、吊り作業においては、現代では後述するような電動ドリルが用いられることが多いですが、ブロックやタイルなどを組む際にもチゼルが重宝されています。
次に、鉄板の切断や曲げ加工では、グラインダーを使用しない場合に重宝されていて、チゼルを上手にあてがうことで鉄板を折り曲げることも可能です。
このように、鉄板を加工するだけではなく、貴金属の表面加工にもチゼルは活用されていて、プラモデルの細かなディテールを追求したいときにもチゼルは重宝されます。
さらに、アーク溶接の作業時に、スパッタと呼ばれる金属粒子が散乱するのですが、このスパッタは品質低下につながるので、塗装する前にチゼルで取り除きます。
スパッタの除去には、一般的なチゼルの他に「ジェットタガネ」と呼ばれる専用のチゼルが用いられることも多く、広範囲のスパッタを除去することができます。
最後に、スポット溶接の剥がしでも、チゼルは重宝されています。
鉄板に電流を流して、電力抵抗を用いて圧接するスポット溶接は、板金塗装を行う際にスポット溶接を剥がす必要があるので、チゼルが活用されています。
このように、さまざまな種類のチゼルは幅広いシーンで重宝されているので、昔ながらの手工具もまだまだ必要ということですね。
チゼルや鏨とノミは用途が異なるので、造りそのものが異なります。
まずチゼル・鏨は、ご紹介したようにコンクリートや石用なので、先端が鋭利で、硬いものでも削れるように作られています。
一方でノミは主に木工用の工具なので、刃は先端だけ鋭く造られていますが、石やコンクリートを削るようには作られていません。
またチゼルや鏨は、「割る」「切断する」ための工具ですが、ノミは「削る」「彫る」ための工具という違いもあります。
チゼル・鏨には、大きく分けて9種類あります。
ここからはチゼル・鏨の種類について、用途や特徴などを詳しく解説していきます。
トラスコ 平タガネ 13mm×160mm THT13
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平タガネは、チゼルや鏨と聞くと多くの方がイメージする最もポピュラーなチゼルの一種です。
平タガネは先端が平らになっていて、先端が細い分ハンマーの力が効率的に伝わるようになっています。
主に薄い鉄板の切断や、コンクリートのはつり作業など幅広い用途で重宝されています。
DIA-T レインボーチスタガネ(コンクリートタガネ)10×150mm No.410-R
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先端がピックのように尖った形状をしているチスタガネは、「チス」と呼ばれることが多いチゼルの一種です。
先端が鋭利なので、打ち込む力が一点に集中するので、コンクリートのはつり作業に最適です。
大規模なはつり作業では電動ドリルで作業しますが、電動ドリルや電動ハンマーなどが入らない場所ではこのチスタガネが重宝されています。
小山刃物製作所 モクバ レンガタガネ レンガ色 70mm A-7
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ヘラのような形状をしているレンガタガネは、その名の通りレンガやブロックを割るためのチゼルです。
形状としては平タガネと似ていますが、平タガネよりも幅が広いので、広い範囲に均一な力が加わることで、石材を真っ直ぐきれいに割ることができます。
小山刃物製作所 モクバ カットチゼル 75MM
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先ほどのレンガチゼルと一見同じように見えますが、ブロックやレンガを割る他に、Pタイルのはがしなどのはつり作業から、舗装された道路に標示している白ラインのはがしなど、幅広い用途で使用できるのが、このカットチゼルです。
カットチゼルは先ほどのレンガタガネと比べて幅が狭くなっていますので、より細かな作業が可能になっています。
小山刃物製作所 モクバ スロットチゼル(A型) A-16
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スロットチゼルは、先端が薄く鋭利な形状をしており、持ち手が板のような形状になっているので、ハンマーを打ち込むときに刃先が回転しないというメリットがあります。
刃先が回転せずに正確に打ち込むことができるので、スポット溶接のはがしや、アーク溶接のバリ取り、ボルトの切断などに重宝されています。
盛光 影打金 60mm TGKG0060
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影タガネは、刃先が扇形に開いたチゼルです。
鋭くはないので、切断作業はできませんが、板金での折り曲げ作業に最適です。
刃先が鋭利ではないので、表面を傷つけることなく、鉄板を直線的に曲げることができます。
須佐製作所 王将 平タガネ
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ハンマーのような形状をしている木柄タガネは、木製の柄がついているのが特徴です。
柄の部分が長くなっているので、持ちやすく手が疲れません。
さらに、ふとした瞬間にチゼルが落ちてしまうこともなく、はじめてチゼルを扱うという方も安全に作業することが可能です。
シーフォース 超硬毛彫りたがね 1.6mm
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刃先がとても細く、精密ドライバーを彷彿させる見た目の毛彫りタガネは、貴金属の装飾や、プラモデルの筋彫りなどに使用する彫金用のチゼルです。
ロングチゼルは、丸善工業が特注で製作している1m以上の長いチゼルです。
一般的にはチゼルや鑿は40cm程度の長さが標準サイズで、これ以上の深穴での作業は大がかりな工事が必要になります。
しかし実際の現場では、「もう少し深い穴までチゼルが届いたらいいのにな…」と感じる方が多く、例えば大きな石やコンクリート片などの障害物に当たったときに、「チゼルが届けば壊せるかもしれないのに…」と思いながらわざわざ電動ドリルなどを使用して作業しなければならないこともあります。
丸善工業では1.5mまでのチゼルを製作した実績があり、ロングチゼルを使用することで、例えば水道工事で大がかりな工事ができない狭い場所で、重機を導入することなくチゼルのみを使用して作業することが可能になります。
参照:
大規模な工事を行うため、手工具のチゼルではなく、電動ドリルや電動ハンマーなどの「はつり機」を用いた大規模な作業が行われます。
電動ドリルや電動ハンマーなどは、簡単に説明すると、「先端に大きなチゼル刃が付いた電動工具」といったところでしょうか。
ここからは、はつり機でできることや、チゼルとはつり機の使い分けについて解説していきたいと思います。
チゼルや鏨は狭い範囲の斫り作業に最適な工具ですが、広い範囲ではつり作業を行う際は、現代では「斫り機」と呼ばれる電動ハンマーや電動ドリルが活躍しています。
斫り機では、以下のような作業が可能です。
・道路の表面を削る
・コンクリート構造分の取り壊し
・コンセント用の穴あけ
・造園工事での地面の掘削
・石材の加工
・タイルやレンガの取り外し など
はつり機は、コンクリートを破壊したり、土掘りや地固めなどをしたりできる電動工具で、マキタ、ハイコーキをはじめ、幅広いメーカーから高い安全性のモデルが数多くラインナップされています。
前述したように、小規模な作業ではチゼルを使用します。
大規模な作業でははつり機を使用いたします。
また、チゼルはご紹介した「毛彫りタガネ」のように精密な作業ができる種類もあるので、精巧な作品を作り上げるときや、細密さが求められる作業でもチゼルを使用いたします。
さまざまなメーカーから、さまざまな種類のチゼル・鏨が販売されているので、「どれを選んだら良いか分からない…」と悩まれている方も多いのではないでしょうか。
ここからは、種類別におすすめのチゼルを合計13製品ご紹介いたします!
小山刃物製作所 モクバ印 平タガネ22mm200mm A122
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トネ(TONE) 平タガネ FC165 ブラック
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モクバ印の平タガネは、高周波焼入れを行います。そのため、高硬度、耐久性がバツグンで、ブロックやレンガの破砕作業に最適です。
トネの平タガネは、先端が鋭利なので、幅広い作業に活用することができます。また、コンクリート打ち抜きにも使用できます。
BIGMAN(ビッグマン) ロング チスタガネ 16ミリ TG-53
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清水製作所 ラクダ ゴールドタガネ チス 10×150mm
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ビッグマンのチスタガネは、長さ300mmの長いチスタガネで、大きなコンクリートのつる作業や、岩石を割る作業に活躍します。
清水製作所のチスタガネは、刃先部分に特殊合金工具鋼を採用しており、摩擦圧接によって接合されているので、とても耐久性が高いだけでなく、強度にも優れています。
刃先が消耗したら、ブルポイント同様、普通砥石で再研磨することが可能です。
大五郎 鍛造ロングレンガタガネ 80mm
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清水製作所 ラクダ ワイドチゼル 90X215
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大五郎のレンガタガネは、鍛造製なのでとても丈夫で、耐久性が非常に高く、100mmの幅広刃で作業を効率良く行うことができます。
清水製作所のワイドチゼルは、従来品のレンガタガネの改良品で、剥がす、はつる、割る、切るなど力強い荒仕事に最適なレンガチゼルです。
小山刃物製作所 モクバ カットチゼル 90MM
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モクバ印 ロングカットチゼル 90mm巾×1200mm A10
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おすすめのカットチゼルには、2つともモクバの製品をご紹介します。
モクバの90mmのカットチゼルは、ブロックやレンガ割作業、Pタイルや道路標識のライン剥がし作業など幅広い作業に耐えられる、先端焼き入れ加工を施した強靭な刃先が特徴的なチゼルです。
またロングカットチゼルは、1,200mmの長いカットチゼルです。刃は特殊炭素鋼を採用しており、高周波焼入れを行った丈夫な造りになっています。柄の部分は肉厚2mm×25φ経のパイプを使用した強力スクレッパー仕様です。
小山刃物製作所 モクバ スロットチゼルV型 25×240mm A-1925
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レンシュタイグ スロットチゼル 2X125mm 393-002-0
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モクバ印のスロットチゼルは、刃先に角度を付けた剥がし用チゼルで、刃先を研磨すれば長く愛用することができます。
最後に、レンシュタイグのスロットチゼルは、高品質の鋼材を使用した耐久性に優れたチゼルで、柄の部分が木製になっています。
盛光 影打金 75mm TGKG0075
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板金加工で折りまげ線をつけたり、折り曲げ加工後に内側からコーナーを叩いて角をきれいに仕上げたりすることができます。
野沢製作所 超硬タガネ 毛彫り 0.3~2.0mm (0.4mm)
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最後に、毛彫りタガネのおすすめをご紹介いたします。
野沢製作所の超硬タガネ 毛彫り 0.3mm〜1.9mmのサイズを選ぶことができます。
炭化タングステンと結合材であるコバルトを混合して焼結した合金「超硬」を採用しているので、耐久性に優れた毛彫りタガネです。
チゼルと鏨は同じ工具です。
似た工具のノミは主に木工用で、用途が違うため、造りも異なります。
作業に応じて選ぶことで、作業効率が向上します。
ぜひ、あなたに合ったチゼルを選んでみてください。今回、種類ごとにご紹介したチゼルを参考に選んでみてはいかがでしょうか。
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