2023.10.26
12Vと14.4Vのバッテリーの違いは?互換性はあるの?バッテリーの種類と電圧・注意点とは
電動工具や、電動工具に使用するバッテリーには12Vや14.4Vというように種類があります。またバッテリーそのものにも種類があって、現在主流となっているのがスマホやパソコンなどにも採用されているリチウムイオンバッテリーです。
そんな違いのある12Vと14.4Vのバッテリーですが、「12Vの電動工具に14.4Vのバッテリーを使いたい」、「結局、12Vのバッテリーと14.4Vのバッテリーは何が違うの」とお悩みの方に今回の記事ではわかりやすく解説をしていきたいと思います。
目次
12Vのバッテリーを14.4Vの電動工具で、また14.4Vのバッテリーを12Vの電動工具に使用することができれば何かと便利です。
互換性について先に結論を言うと、基本的には異なる電圧のバッテリーを同じ電動工具に使用することはおすすめできません。しかし、メーカーや機種によっては互換性があるものもあります。
ここからは12Vと14.4Vバッテリーの違いについて、バッテリーの種類から電圧、注意点まで詳しく解説していきます!
バッテリーは主に3種類に分かれています。
・ニカドバッテリー
・ニッケル水素バッテリー
・リチウムイオンバッテリー
それぞれのバッテリーの種類により特徴に違いがあり、「どのバッテリーの電動工具を選べばいいのかわからない。」という方も多いのではないでしょうか。下記ではそれぞれの種類のメリット・デメリットについてご紹介していきます。
・ニカドバッテリー
ニカドバッテリーは、陽極にニッケル酸化物、陰極にカドミウムを使用したバッテリーです。カドミウムを含むため、廃棄物処理には注意が必要です。メリット・デメリットは以下になります。
ニカドバッテリー | |
メリット | ・トータルでみると「高出力」という点において最も優秀 ・コストパフォーマンスが良い ・過放電に強い ・メモリー効果の影響を受けやすい |
デメリット | ・自然放電が大きく、長期間使用されない場合や、過充電ですぐに劣化する ・使用しているカドミウムが有害物質なので処分に手間がかかる |
※メモリー効果とは、バッテリーの容量が使用可能な程度に残っているのにもかかわらず、再充電を繰り返した場合にバッテリーの使用中に急激に電圧が低下するようになってしまう現象のことです。
・ニッケル水素バッテリー
ニッケル水素バッテリーは、負極に水素吸蔵合金、正極にオキシ水酸化ニッケル、電解液に水酸化カリウムなどのアルカリ水溶液を用いたバッテリーで比較的環境にやさしいとされています。メリット・デメリットは以下になります。
ニッケル水素バッテリー | |
メリット | ・ニカドと比べて内部抵抗が低いので、モーターのような大量の電流を必要とする製品に最適 ・メモリー効果の影響を受けやすい |
デメリット | ニッケル水素は過放電に弱い性質がある。 ※現在では過放電の影響が少ない製品も販売されている |
・リチウムイオンバッテリー
リチウムイオンバッテリーは、負極にグラファイトなどの炭素材、正極にリチウム含有金属酸化物、電解液に有機電解液を用いたバッテリーです。メリット・デメリットは以下になります。
リチウムイオンバッテリー | |
メリット | ・ニカド、ニッケル水素と比べて大容量で安定したパワーを取り出すことができる ・自然放電率が低い ・メモリー効果の影響をほとんど受けない |
デメリット | ニカドとニッケル水素と比べると高価 |
現在、主流になっているリチウムイオンバッテリーですが簡単にリチウムイオンバッテリーのメリットをいうと「電池の残量は残ってるけど、充電をしておこう」というような繰り返し充電ができます。ご紹介した他の種類のバッテリーでこのような充電を繰り返すとバッテリの寿命が短くなり、あまりおすすめはできませんでした。
さらにリチウムイオンバッテリーは大容量で安定した高密度の出力が可能で、バッテリー本体はより軽くなっています。従来のバッテリーと比べると使い勝手が良く、長持ちなバッテリーといえます。
先にも述べましたが基本的に12Vと14.4Vの間では互換性はありません。12Vは種類でいうとニカドバッテリーやニッケル水素バッテリーで14.4Vはリチウムイオンバッテリーになります。それぞれに種類が違い、互換性のない理由の一つです。
電動工具はそれぞれのバッテリーの特徴を理解した上で設計しているため、電圧の違うバッテリーを使用する際は注意が必要です。
ニカドバッテリーやニッケル水素バッテリーは1本あたり1.2Vの電圧になります。なので、12Vのバッテリーであれば10本(1.2V×10本=12V)の電池が必要で、電圧は1.2Vずつ増えていく計算です。
一方でリチウムイオンバッテリーは1本あたり3.6Vの電圧なので、14.4Vであればで4本(3.6V×4本=14.4V)、18Vであればさらに1本の電池を足したかたちになります。
電圧の違いにより工具にかかる負荷も変わってくるので同じ電圧のバッテリに対応した電動工具を揃えることをおすすめします。
同じ電圧の電動工具とバッテリーを使用することが基本的にはおすすめですが、メーカーや機種によっては異なる電圧のバッテリーを使うことができる場合があります。
異なる電圧の電動工具とバッテリーを使用できる代表的なメーカーは、ハイコーキのマルチボルトシリーズです。ハイコーキのマルチボルトシリーズは、同じバッテリーで36Vと18Vの電動工具に使用することが可能です。
またバッテリーも36Vと18Vの両方に対応できるように設計されているので、36Vの電動工具に使用する際は36Vで、18Vの電動工具で使用する際は18Vに自動で切り替わるようになっているのが特徴です。ただし、ハイコーキのマルチボルトシリーズ対応の電動工具とバッテリーでなければ使用できないというデメリットがあります。
このようにメーカーや機種によって異なる電圧の電動工具やバッテリーでも互換性がある場合があるので購入前に調べておくと安心です。
2022年にリニューアルされたHiKOKIのマルチボルトバッテリーついての動画がございますので是非ご参照ください。
「メーカーや機種によって異なる電圧のバッテリーが使用できる場合がある」と解説しましたが、使用する際は十分に注意が必要です。
その理由として、使用電圧が低い電動工具に電圧が高いバッテリーを使用すると、電動工具やバッテリーの故障、バッテリーの著しい劣化が起こる可能性が高いからです。電動工具の電圧よりも高いバッテリーを使用した作業は基本的に避けるようにしましょう。
特に前述した通り、12Vと14.4Vのバッテリーでは特徴の異なる種類であることが多いため、無理に使用すると、電動工具やバッテリーそのものの故障、発熱、漏液などの原因になるので絶対にやめておきましょう。
互換性のない12Vと14.4Vですが、「12Vの電動工具でリチウムイオンバッテリーを使いたい」という方に向けて製造されたのがパナソニックの電池パックアダプタ「EZ9740」になります。
使い方は簡単で電池アダプタに14.4Vバッテリーを差し込み、そのまま12Vの電動工具に差し込むだけです。全ての12Vの電動工具に使用が出来るわけではありません。また生産が終了している工具も多いですが、長い間パナソニックの工具をお使いになられている方にとっては非常に便利です。
・EZ9740
参照:
12Vと14.4Vバッテリーと一言に言っても、バッテリーの種類がニカドやニッケル水素、リチウムイオンなのかどうかで根本的な違いがあります。最近ではリチウムイオンのバッテリーが主流になっており、従来のものと比べ大容量で高密度の出力が可能です。
基本的には電圧やバッテリの種類により互換性のない電動工具も多いですが、ハイコーキのマルチボルトシリーズのように、異なる電圧の電動工具、バッテリー間でも使用できる互換性の高いバッテリーや12Vの電動工具に14.4Vバッテリーを使用できるパナソニックの電池アダプタなどもあります。
もし、バッテリーと電動工具に電圧の違いがある場合はしっかりと調べてから使用するようにしましょう。互換性のないバッテリー、電動工具の使用は故障や、著しい劣化の原因になるので絶対に行わないようにしましょう。
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