2023.07.06
トリマーとルーターの違いは?使い分けやビットの種類・選び方・おすすめメーカーまでまとめて解説!
「切削加工をするためにトリマーかルーターか、どちらを選んだらいいのか悩んでる…」
このような悩みを抱えている方は、まずはトリマーとルーターの特徴や用途を把握してから、それぞれの違いと使い分け方を把握しておきましょう。
今回は、トリマーとルーターについて次のようなことがわかるようになっています。
・トリマーとルーターの違い・それぞれの特徴と用途
・トリマーとルーターの使い分け方
・トリマーとルーターで使用するビットの種類
・トリマーとルーターのビットを選ぶ時の注意点
・トリマーとルーターの選び方
・トリマーとルーターのおすすめメーカー4社
・充電式と有線式の違い・メリットとデメリット
「トリマーとルーターの違いが分からない…」という方に役立つ記事になっているので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね!
目次
下記表の項目をトリマーとルーターで比較してみました。
トリマー | ルーター | |
サイズ | 小さい | 大きい |
重量 | 軽い | 重たい |
操作性 | 片手、もしくは両手 | 両手 |
機動性 | 優れている | 劣る |
パワー | 劣る | 優れている |
切削精度 | 劣る | 優れている |
切削用途 | 劣る | 優れている |
価格 | 1〜2万円程度 | 4万円程度 |
トリマーとルーターは、共にさまざまな切削加工ができる電動工具です。
・面取り加工
・溝切り加工
・相欠き加工
・ホゾとホゾ穴の加工
・治具を用いた倣い加工 など
上記の切削加工を行う時は、後述する「ビット」を使用して作業を行います。
ビットについては後述するとして、先にトリマーとルーターの違いを言うと、操作性や機動性に優れているのがトリマーで、安定感やパワーに優れているのがルーターです。
その他にも、上記の表のように本体サイズや重量などさまざまなところで違いがあります。
ここからはトリマーとルーターの用途と特徴から、使い分けまで詳しく解説していきます。
トリマーは軽量でコンパクトなモデルが多いので、ルーターよりも機動性に優れています。
軽量・コンパクトということは、面取り加工などの切削加工でいかされるので、取り回ししやすいトリマーは片手で操作することも可能です。
DIYなどで木工作業を行う場合、初めのスタートとして工具を揃える際は扱いやすく起動性の優れたトリマーがオススメです。
ただしルーターと比べるとパワーが劣るので、大きな家具の製作や現場ではトリマーよりルーターのほうが活躍します。
ルーターもトリマーと同じく切削加工ができる電動工具ですが、トリマーと比べるとパワーが強く、大型家具の製作や現場仕事で活躍してくれます。
本格的な家具作成や深く溝を切りたい、固い材質の木材加工にとお考えであればルーターの使用がオススメとなります。
ただし強いパワーを発揮するためには、それなりの安定感が求められるので、本体サイズがトリマーよりも大きく、重量も重たくなっています。
ここまで解説してきたように、トリマーは軽量でコンパクトだからこそ機動性に優れていて、ルーターはサイズが大きく、重量もしっかりしていてパワーがあります。
ルーターの場合、トリマーと比べると3倍近くパワーがあるので、上記でも触れたように硬い材質や深く溝を切りたいといったシーンで活躍します。
そのためDIYでルーターを使うことはあまりないかと思うので、DIY用途であればトリマーのほうが活用できる用途が幅広くなります。
しかし後述する面取り系のビットを使ったときに、刃形が大きくなると切削するのが難しくなってくるので、パワーが必要なものを製作するときや、プロユースであればルーターを用意しておくといいでしょう。
トリマーやルーターで切削作業を行うときは、ビットと呼ばれるアタッチメントを使用します。
メーカーを選ばなければ、トリマーとルーターのビットの数は数百種類とも言われていて、切削加工の幅がぐっと広がります
ここからは、トリマー・ルータービットの種類について解説していきます。
写真はストレートビット3種とU溝ビット
・ストレートビット
・スパイラルビット
・アリ溝ビット
・V溝ビット
・U溝ビット
溝を掘ることができる溝切り系ビットには、上記の5種類があります。
溝切り系ビットで加工できる溝は、「平溝」「V溝」「U溝」の3種類で、溝の形状はビットの刃の形状によって決まります。
特に使用頻度が多いのがストレートビットとスパイラルビットで、トリマーやルーターを新品で購入すると必ずと言っていいほどセットで付属されています。
ストレートビットは、溝堀りや相欠き、ホゾとホゾ穴、治具を用いた倣い加工など、さまざまなシーンで使用されるとても汎用性が高いビットとなります。
溝の幅とホゾ穴の幅を、ストレートビットの刃経が同じなので、このビットを使う事で材料を正確に掘ることができます。
またスパイラルビットは、ストレートビットと同じように使うことができますが、切削精度が高く、ビットの耐久性が高い、切削スピードが速いというメリットがあります。
写真は片ギンナン面ビットとヒョウタン面ビット
・丸面ビット(ボーズ面ビット)
・サジ面ビット
・ギンナン面ビット
・ヒョウタン面ビット
・角面ビット
木材の角を落とす面取り加工に使用する面取り系ビットで、現在はビットの先端にベアリングが付いたコロ付きタイプが主流です。
特にサジ面ビットとギンナン面ビット、ヒョウタン面ビットは、木材の角でケガをするのを防ぐ為にというよりは、装飾の意味で切削作業をするのに向いています。
例えば、丸面ビット(ボーズ面ビット)は最もスタンダードな面取り系ビットで、角張ったテーブルの天板の角を落とすのに使用されます。
一方でサジ面ビットなどは、装飾と形状の加工に使用されることが多く、モールディングの装飾加工や、ドアパネルや額などの装飾加工、取っ手などの形状加工の際に使用されます。
staxtools フラッシュトリムビット
参照 楽天
・フラッシュトリムビット
・トップベアリングパターンビット
・キーホールビット
・レール&スタイルビット
・レイズドパネルビット
トリマーとルーターのビットのなかには、倣い加工や穴加工、ドアレール加工など、さまざまなシーンに特化した特殊系ビットがあります。
写真はフラッシュトリムビットとなりますが上記にあげた5つの特殊系ビットは一例で、実際には数百種類以上もの特殊系ビットがあるので作業に応じて選んでみましょう。
特殊系ビットでどんな切削加工ができるのかというと、例えばフラッシュトリムビットなら倣い加工ができるようになっていて、ベアリング経と刃経が同じなので、型番と同じ形に切削することができます。
キーホールビットなら、ねじや釘の頭を引っかけられる穴を加工することができるので、表札や時計、看板など壁掛けの製作品に欠かせません。
このように特殊経のトリマー・ルータービットを選ぶことで、作業の幅がぐっと広がるのでぜひ探してみましょう。
トリマーやルーターのビットを選ぶ時は、先ず初めにトリマー・ルーターの本体が日本製か海外製かの確認から始まります。
なぜなら、日本製のルーター・トリマーなら軸経が「ミリ」単位ですが、海外製だと「インチ」単位になるので、選ぶビットが変わってくるからです。
もしお手持ちのトリマーやルーターが日本製でインチ規格のビットを使いたい場合は、「コレット」を交換することでインチ規格のビットが使えます。
トリマー | 日本製 | 6mm |
海外製 | 1/4インチ | |
ルーター | 日本製 | 6、8、12mm |
海外製 | 1/4、1/2インチ |
上記の表は、日本製と海外製のトリマーとルーターのビットの軸経を表にまとめたものです。
例えば、軸経6ミリから1/4インチへ、12ミリから1/2インチへというように変換させることができるので便利。
コレットやスリーブと呼ばれる部品を交換するだけでインチ規格に対応できるようになるので、とても簡単にインチ規格のビットを使用できるようになります。
冒頭でお話ししたように、「DIY用途ならトリマー」「プロユースならルーター」がおすすめですが、実際にトリマーやルーターを選ぶときにはポイントが大きく分けて3つあります。
ここからは、トリマーとルーターを選ぶ時にチェックしたい3つのポイントを解説していきます。
ここで言うパワーとは「トルク(N・m)」のことで、トリマーよりもルーターのほうがパワーが強いのでトルクも高くなります。
トルク値が高いルーターやトリマーを選ぶことで、大きく深く切削ができるようになるので、もし悩んだらトルク値で選ぶと良いでしょう。
トリマーやルーターの回転数は、「min-1」という単位で表記されています。
高い方が作業時に素早く加工することができて、加工面がなめらかになるので、迷ったらトルクと同様に回転数が高いものを選びましょう。
特に充電式のトリマーやルーターを選ぶのであれば、使用できるバッテリーの性能や互換性という部分は重視しておきたいところです。
意識する部分として電圧や消費電力の他に、同じバッテリーを他の電動工具で使うことができるかどうかを確認しておきましょう。
トリマーやルーターはさまざまなメーカーから販売されていますが、その中でもおすすめのメーカーが4社あります。
ここからはおすすめのトリマーやルーターを販売するメーカーと、取り扱うルーターやトリマーの特徴を解説していきます。
これから新たに購入を検討されているのであれば、先程上記で述べた3つのポイントも意識しながら検討される事をオススメします。
言わずと知れた電動工具などを製造・販売するマキタは、国内約60%のシェアを占めています。
マキタは日本全国に支店があるので、万が一故障した場合でもお近くの支店に持って行く事で手厚いサポートを受けることが可能です。
マキタのトリマーやルーターには、バッテリーを使用する充電式とAC電源式の2種類があるので、使用用途や作業環境などに応じて各々にあったモデルを選ぶことができます。
充電式のトリマーは回転数が心配…という方も多いと思いますが、マキタのバッテリーは性能が高いので影響を受けることはありません。
ルーターも同様で、高い出力のハイパワーと電子制御機能で、硬い木材の加工などで負担がかかったとしても、工具側で回転数を自動で調節してくれるので安心です。
工機ホールディングスのブランドで、2021年には業界で初めて軽量・コンパクトな充電式ルーターを販売したことで話題になりました。
コードレスのルーターをお探しなら、ハイコーキ一択ということになります。
またトリマーについても、36Vバッテリーのラインナップがありますが、マキタにも18Vと40Vmaxシリーズで充電式トリマーを扱っているので比較して検討してみましょう。
更にマルチボルトバッテリーはほとんどのモデルで18V、36Vと両方で使用でき互換性も高い部分も魅力的ですね。
リョービは工具をはじめ、印刷機器事業や建築用品事業、釣具事業など幅広く手がけているメーカーです。
電動工具ではプロ用は緑、DIY用の家庭用モデルは赤というように電動工具本体の色で区別しています。
リョービのトリマーは、アメリカの老舗電動工具メーカー「ウォルト」の機構を搭載した画期的なモデルになっていて、ビット交換時の刃の出し入れが従来モデルより格段に改善されています。
ただ、2023年6月現在ではパワーツールなどの電動工具やガーデン機器、清掃機器等は事業を京セラインダストリアルツールズ株式会社に譲渡されており京セラ製品のトリマーが販売されております。
あまり聞かないメーカーかもしれませんが、その歴史は古く慶応2年創業の会社です。
現在では電動工具や建築工具などプロ用の製品を多く扱っていて、コストパフォーマンスにも優れたモデルを数多くラインナップしています。
髙儀のトリマーは、使用時の作業状況が見やすいクリアベースのトリマーになっていて、作業開始時の揺れが少ないので安全性が高く、DIY初心者も扱いやすいのが特徴です。
またルーターについても評価が高く、コストパフォーマンスに優れていながらも、重量が比較的に軽いので扱いやすいのが特徴です。
トリマーとルーターを選ぶときは、特に電源方式についてしっかりと確認しておいたほうがいいでしょう。
なぜなら、充電式か有線式かによって取り回しの良さや、使用できる環境が異なるからです。
ここからは充電式と有線式のトリマー・ルーターのメリットとデメリットを解説していきます。
メリット
・コードレスで作業できるから取り回しが良い
・作業環境を選ばない
デメリット
・本体、バッテリーと購入時にコストがかかる
・予備のバッテリーを用意しておく必要がある
充電式のトリマーとルーターのメリットとデメリットは、上記の通りです。
まずコードレスという点がとても大きなメリットなので、電源確保といった作業環境を選ばずにコンセントがない現場でも使用することができます。
デメリットは、あらかじめ充電しておかなければならない点と、バッテリーの残量を気にしなければならない点です。特に長時間の作業が予想される場合は、予備のバッテリーは必須となります。
充電式のトリマーやルーターを選ぶときは、バッテリーの性能だけではなく互換性についても確認しながら選ぶようにしましょう。
メリット
・安価でコスパが良い
・充電の必要がないのでいつでも使える
デメリット
・取り回ししにくい
・コンセントがない環境では使えない
AC電源式の有線トリマーやルーターのメリットとデメリットは、上記の通りです。
前提として使用時に電源を確保しなければならないので、コンセントがない環境では使えないというのが大きなデメリットですが、充電式のトリマーやルーターと比べると安価なので購入費用を抑えることができます。
また、電源コードが付いているので取り回しづらいというデメリットがあるので、電源コードの長さを気にしたくない方は充電式がおすすめです。
トリマーとルーターは、同じ切削加工を行うための工具ですが、トリマーは軽量・コンパクト設計なので取り回ししやすくDIY用途におすすめです。
一方でルーターは重量がしっかりあって大きいので、プロユースで使うならルーターを選んだ方が良いでしょう。
一般的なストレートビット以外にも色々なビットを装着することで切削加工の幅がぐっと広がります。
特に特殊系のビットは、加工した作業に応じてさまざまな種類があるので探してみるといいでしょう。
トリマーとルーターを選ぶときは、今回ご紹介した選ぶ時の3つのポイントと、おすすめメーカーをぜひ参考にしてみてくださいね。
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