2023.09.29
ベビコンとは?エアーコンプレッサーの違いや性能、仕組み、選び方、種類も解説!
ベビコンとエアーコンプレッサーを混同している方が多いですが、ベビコンは軽量・コンパクトに特化したエアーコンプレッサーです。
このベビコンには、選ぶメリットや性能・仕組み、種類などがあるので、事前に把握しておくと、よりあなたにぴったりのベビコンを見つけることができます。
そこで今回は、ベビコンについて以下のことがわかる内容になっています。
・ベビコンとエアーコンプレッサーの違い
・ベビコンの性能と仕組み
・ベビコンの選び方
・ベビコンの種類
・ベビコンのメンテナンス
「ベビコンって何?」「自分に合ったベビコンの選び方を知りたい」と感じている方に役立つ内容になっていますので、ぜひご参考になさってください。
目次
「ベビコンを持ってきてくれ!」と言われたことがある方や、DIYなどで限られた作業スペースで作業する際にベビコンをすすめられたという方も多いのではないでしょうか。
ベビコンとはあまりなじみがない言葉かもしれませんが、長い歴史のなかでプロの職人の仕事を支えてきたとても優れたエアコンプレッサーです。
ここからはベビコンと通常のエアコンプレッサーとの違いと、ベビコンを選ぶメリットについて解説していきたいと思います!
ベビコンとは「ベビーコンプレッサー」のことで、日立産機システムが製造・販売する小型のエアコンプレッサーです。
ベビコンの歴史は古く、1946年に誕生しました。エアコンプレッサーの定番中の定番と言える工具として、これまで累計300万台を超える機種が職人たちに愛されています。
「ベビコン」という言葉は日立産機の登録商標であり、他メーカーは使用できません。ただし、ベビコンと類似するコンパクトで軽量なエアコンプレッサーも存在します。
そのため、職人の中にはコンパクト・軽量のエアコンプレッサーを「ベビコン」と呼ぶ人もいますが、正確には「日立産機のベビコン」のみがベビコンです。
このような違いから、「ベビコン持ってきて!」と言われたら、どちらの意味で使っているのか確認したほうが無難です。
ベビコンを選ぶメリットは、産業用のコンプレッサーの中でコンパクトで軽量であることに加え、耐久性に優れていることです。
産業用の中では、コンパクト・軽量という点において、ベビコンは工場内や車屋さんでよく見られます。
作業スペースが限られている現場でも移動ができ、他の大型のコンプレッサーと比べてスペースをとらないため、ストレスなく扱うことが可能です。
もうひとつのメリットである耐久性については、プロの職人さんが何十年と愛用しているベビコンが現代でも活躍しているのを見ると、きちんとメンテナンスを行えば、消耗するパーツの交換は必要とは言え、長い期間使用することができます。
ハードな環境でも壊れにくく、寒暖差が激しい保管場所でも安心です。
木くずや粉塵が舞うハードな現場でも、問題なく活躍してくれるのでとても頼もしいものです。
ベビコンは時代と共に進化しています。
最近のモデルでは、コンパクトや軽量といった使い勝手の良さはそのままに、より経済的でパワーのあるモデルが登場しています。また、Bluetoothでスマートフォンと接続して運転状況をモニタリングすることもできます。
Bluetooth接続対応のベビコンであれば、1台のスマートフォンで4台までベビコンを同時接続できます。そのため、広い現場や工場でもわざわざベビコンを見回る必要がなく、エラーが発生すれば詳細や対策アドバイスを遠隔でサポートしてくれます。
また、最近のベビコンは静音性にも優れているため、モーターが回っていても従来モデルと比べてかなり静かになっています。
そのため、DIYや住宅地で作業する際でも、近隣住民に騒音で迷惑をかけないように配慮することができます。
このように、日立産機のベビコンは時代と共に進化しており、最新技術とアイデアを駆使して、モデルを製造しています。
もし予算が許すのであれば、産業用のエアーコンプレッサーを選ぶ選択肢にベビコンをおすすめいたします。
コンパクトで軽量なベビコンには、2種類の運転方法があります。
ここからはベビコンの性能と仕組みについて解説していきます。
まず「圧力開閉器式」は、圧力スイッチで運転を制御する方法です。設定された圧力になると運転を停止し、空気を消費します。設定した圧力よりも低下することで再び運転を再開します。
設定さえしておけば、あとは自動でオンとオフを切り替えてくれるので、省エネ性に優れているというのが大きなメリットです。
DIY用途であれば、経済性や騒音などを考えると、圧力開閉器式のほうが使いやすいと思います。
一方で「自動アンローダ式」は、圧力調整弁によって、無負荷運転と圧縮運転の2種類の運転方法に切り替えることができます。
2種類の運転方法に切り替えることで、圧力を一定に保つことができるというメリットがありますが、常に運転しているため、稼働音が気になるというデメリットがあります。
最初に紹介した圧力開閉器式の運転では、1時間に10回を超えてベビコンが稼働する場合は、自動アンローダ式に切り替えるか、別でエアタンクを設けるようにメーカーは推奨しています。
通常モデルのベビコンは潤滑油を使用しますが、潤滑油を使用すると構造上、どうしても圧縮空気にオイルミストが混入してしまいます。
しかし、オイルフリーのモデルであれば、潤滑油を使用しないのでクリーンな圧縮空気の使用が可能です。
オイルフリーのベビコンは、圧縮空気にオイルミストが混入するべきではない食品業界や化学、医療の業種に選ばれています。
また、潤滑油を使用するとメンテナンスが難しくなります。
潤滑油を使用するモデルも、オイルフリーモデルも性能的には変わりませんので、もし選べるのであれば木材加工の現場でもオイルフリーモデルを選んだ方が良いでしょう。
ベビコンを選ぶときは、カタログに記載されているスペックで選ぶ必要がありますが、スペックで注目すべきポイントは4つあります。
ベビコンには空気を圧縮するためにモーターが使われていますが、そのモーターの強さを示すのに「kW」という単位が用いられます。
古いベビコンであれば「HP」が用いられることもありますが、いずれの場合も数値が大きければ大きいほど、ハイパワーであるといえます。
ちなみに、1HPは0.75kWと計算することができるので、古いベビコンを選ぶときは参考にしてみてください。
ベビコンの最高出力とは、空気を最高でどの程度まで圧縮できるかという性能のことで、「MPa」という単位を用いて示されています。
こちらも数値が大きいほど性能が高いということになりますが、高ければ良いというわけではありません。
なぜなら、一般的な作業で使用する空気圧力はそれほど高くはないからです。
圧縮空気の圧力が高すぎると、釘打ち機用のモデルであれば木材に釘がめりこんでしまうので、結局圧力を下げて使用することになってしまいます。
そのため、ベビコンを選ぶときは一般作業用であれば0.7MPaから0.9MPa程度のモデルを選びます。
ベビコンを選ぶときは、使用するエアーツールに必要な圧力値に対して、0.2MPa程度余裕を見ておくのが一般的です。
吐き出し空気量とは、1分間にどれだけの圧縮空気を出せるのかという指標のことで、「L/min」もしくは「㎥/min」を用いて示されます。
「1,000 L/min」は「1 ㎥/min」となるのを覚えておきましょう。
特に複数のエア工具を1台のエアコンプレッサーで使用したい場合は、エアコンプレッサーもスペックの高いものを選ぶ必要があります。
高速釘打ち機などを使う場合は、特に高いスペックのエアコンプレッサーが必要になってくるので、自分が使いたいと思っているエア工具の必要空気量を確認して、それよりも1〜2割程度高いスペックのエアコンプレッサーを選ぶようにしましょう。
ベビコンのタンク容量は、ストックしておける圧縮空気の量のことです。
スペック表示は「L」を用いて示されており、スペックとタンクの大きさは物理的に比例するので、数値が高ければタンクも大きくなります。
しかし、ベビコンはコンパクトなのが特徴なので、他社の類似製品と比べると、ベビコンはそもそもタンク容量が小さくなります。
そのため、連続して作業するケースで、例えば大面積の釘打ちやビス打ち、エアーブロワーなどを使用する場合は、途中で作業を中断しなければいけなくなるかもしれません。
しかしDIY用途であれば、ベビコンのタンク容量で十分ですので、そこまで容量にこだわる必要はありません。
ベビコンには用途に応じて4つの種類にわけられています。
日立産機 給油式ベビコン 0.75P-9.5VP5
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エアーツールを使用するのであれば、0.75kW〜1.5kWまで幅広いラインナップから選ぶことができます。使用する工具の使用圧力や、消費空気量によって選べるので、あなたにぴったりのベビコンプレッサーを選ぶことが可能です。
エアツールは圧縮空気の水分が含まれているので、普通のモデルならサビが発生してしまう可能性がありますが、エアドライヤーが搭載されたベビコンプレッサーを選ぶことでサビを防ぐことができます。
日立産機 オイルフリーベビコン 1.5OU-9.5GP6
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エアーブラシを使用しているときに、圧縮空気にオイルが混ざると都合が悪いので、オイルフリーモデルがおすすめです。
エアーブラシは連続して圧縮空気を使用するので、自動アンローダ式のベビコンであれば快適に使用できます。
日立産機 インバータ高圧エアーパンチ PA2000VH
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釘打ち機に使用するベビーコンプレッサーは、一瞬で釘を打ち込むために高い圧力が求められます。
軽搬型ベビーコンプレッサーの「エアーパンチ」であれば、独自の「高圧対応ロッキングピストン機構」を採用しているので、大気圧を40倍の4.2MPaまで圧縮することが可能です。
釘打ち機用エアーコンプレッサーは、マキタやマックスが人気ですが、高い耐久性を誇るベビーコンプレッサーも人気です。
重量が13kgと他メーカーと比べると若干軽量なので、現場での持ち運びを楽に行うことができます。
日立産機 オイルフリーブースタベビコン POB-0.75G
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オイルフリーブースターベビコンであれば、省エネにも貢献しており、窒素の圧縮に適したピストンを搭載しています。アシストガスはレーザー光をつくるレンズの保護も兼ねているので、質の良い気体である必要があります。
レーザー加工機用のベビコンは材料を酸化から守る必要があるため、窒素などをアシスト ガスとして使用します。
ベビコンを長く愛用するためには、定期的なメンテナンスの他に、半年に1回のオイル交換が必要です。
ベビコンを起動して6,000時間ごとに、もしくは1年に1回は定期点検を受けて、ベビコンが問題なく稼働するかチェックしてもらいましょう。
また、半年に1回オイル交換が必要ですが、潤滑油不要のオイルフリーモデルのベビコンの場合はオイル交換は不要です。
使用頻度に応じてオイル交換を行うようにしましょう。
ベビコンには「圧力開閉器式」と「自動アンローダ式」の2種類があり、圧力開閉器式のほうが省エネ性や静音性に優れています。ただし、1時間に10回以上ベビコンが稼働する場合は、自動アンローダ式に切り替えたり、別にエアタンクを用意する必要があります。
ベビコンを選ぶ時は、カタログスペック上の数値を見て選ぶことになりますが、今回ご紹介したことを参考に、出力や最高出力、吐き出し空気量、タンク容量をチェックしてみましょう。
ベビコンには使用するエアーツールに応じて、大きく分けて4種類あるので、用途に応じてあなたにぴったりのベビコンを選んでみてくださいね。
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