2024.03.01
【初心者向け】ディスクグラインダーの切断砥石とは?禁止事項や罰則規定もシンプルに解説!
「ディスクグラインダーの切断砥石って何?」
「ディスクグラインダーで禁止事項があるって本当?」
「切断砥石での禁止事項や罰則について知りたい!」
先端に装着するディスクを交換することで、様々な場面で活躍してくれるディスクグラインダー。電動工具の中でもかなり使い勝手が良く、DIYでも使われることが増えてきています。
しかし、使い方次第で禁止事項に該当してしまったり罰則規定がある為、使用には注意が必要となります。
そこで今回はディスクグラインダーの切断砥石について様々な視点で解説し、禁止事項や罰則規定などについても触れていきたいと思います。
切断砥石について不安や疑問を感じている人は、当ページの内容を参考にしてみてください。
目次
それでは切断砥石について解説をしていきます。
禁止事項などについても触れていきますので、各項目にしっかりと目を通していきましょう。
まずは肝心の切断砥石ですが、判りやすく言えば「金属材料の切断作業」に使う砥石です。
電動工具によって外径のサイズが異なりますが、ディスクグラインダーの場合はΦ100mm~180mmが使われます。
鋼材・鍛鉄・ステンレス鋼など多種多様な鉄材料の切断に使うことができ、自生作用※により新しい刃が出てくることで切れ味が長く続きます。
※自生作用とは…加工の際に砥粒が摩耗しても新しい砥粒(切り刃)が出てくるサイクルのこと
その為、優れた切断能力とコスパの良さを実感しながらスムーズに金属切断作業や金属加工作業を行うことができます。
次に、ディスクグラインダーで鉄以外の素材を切断する場合について解説していきます。
柔らかい素材に一般的な切断砥石を使用すると、自生作用が上手く働かずに「目詰まり」や「摩擦による焦げ付き」を起こす可能性があります。
その為、FRP(繊維強化プラスチック)・ポリ塩化ビニル・アルミニウムなど鉄以外の柔らかい素材を切断する場合は専用の切断砥石が必要となります。
各素材ごとに最適な切断砥石が販売されているので、加工したい材料に対して適切な切断砥石を選択し、付け替えて作業を行うことをお勧めします。
ここで、切断砥石以外の金属切断刃であるチップソーについても触れておきましょう。
チップソーは、切断砥石ほど熱や火花が発生しないことに加えて、切断面も綺麗に仕上がるので初心者の方でも作業がしやすいことでしょう。
しかし、ディスクの消耗によるランニングコストが高い為、消耗したからといって気軽に買い替えるという事は難しいかもしれません。
それに比べると、切断砥石はチップソーよりもランニングコストが安いので、気兼ねなく多くの素材を切断したいという方にはお勧めです。
但し、使用時に火花の発生や材料の焼きつきなどが気になるケースも出てくるので、ある程度の技術が必要になることを理解しておきましょう。
ここからはディスクグラインダーの切断砥石を選ぶ方法について解説していきます。
切断作業を行うには、「素材」や「材料」に合わせて最適な砥石を選ばなければ効率的に作業が行えません。
また、切断負荷が大きくなることによりディスクグラインダーが破損する原因にも繫がってしまいます。
これから挙げる要素をしっかりと把握して、条件に合う切断砥石を選ぶ様に心掛けましょう。
まずは、切断砥石の砥材・粒度・対応材料などについて確認していきましょう。
砥材 | 基本となる鋼材などの鉄材料を切断する場合には、A・WA・AZ等のアルミナ系研削材が使われることが多い |
粒度 | 砥石に配合されている研削材の粒の大きさ「#(番号)で表記され数字が小さいほど研削速度が速くなり消費が少なくなるが、切断面が粗くなるため選ぶ際に大切な要素の1つ」 |
対応材料 | 鉄・アルミ・樹脂などの切断砥石ごとの対応材料を指しているため、自身の目的にマッチする対応材料を選ぶことが大切 |
基本として「対応材料」を理解し選択していれば、その他の条件が大きくかけ離れることはないと思います。
但し、複数の材料を切断する際や仕上がりにこだわりをもたれる方は、「砥材」や「粒度」の項目も条件に合うものを選ぶことが大切だと言えるでしょう。
切断砥石の厚みや対応回転数も大切な要素なので解説をしていきます。
それぞれにどういう特徴があるのかしっかりと確認していきましょう。
厚み | 切断砥石自体の厚みであり、薄くなるほど切断スピードに優れるが消耗が早い |
対応回転数 | 砥石が対応できるグラインダーの回転数「rpm(1分あたりの回転数)とm/s(秒速当たりの周速)の2通りの表記方法がある」 |
厚みの薄い切断砥石は切れ味が優れており、作業の効率面や切断時の負荷(抵抗)の観点で優れています。但し薄い分割れやすくなり製品寿命も短くなる為、交換頻度が上がりコストが高くなります。
対照的に厚みのある切断砥石は、割れにくく長持ちし易いのでコストが低く済むことでしょう。しかし薄い切断砥石と比べると切れ味が劣る為、作業の効率面が悪く身体的負荷(抵抗)も大きくなります。
作業中に切断砥石が割れそうになったり割れたことがあるという方は、「砥石の厚み」と「切断する素材の材質や形状」との組み合わせが合っていない可能性がある為、見直しが必要と言えるでしょう。
次に対応回転数についてですが、主に金属の切断作業には「高速回転」、その他の硬い材料を切断する際には「低速回転」のタイプを選ぶと、より効率的に作業が出来るはずなので参考にして下さい。
しかし、ディスクグラインダーの回転数と切断砥石の対応回転数を合わせなければ、切断砥石の破損や事故に繋がりかねないので表記内容をしっかりと確認して使用する様にしましょう。
ここからは、ディスクグラインダーで使えるオススメの切断砥石について解説していきます。
ご覧いただけている方の中には、切断砥石の選択で悩んでいる方も少なくないかと思います。
本当にオススメできる切断砥石のシリーズをピックアップしてみましたので、ぜひ参考にしてみてください。
レジトン 金の卵オフセット型 108×1.0×15
参照:
『amazon』
販売ページは↓をタップ♪
まずは、業界トップブランドと言われるレヂトンの『金の卵』シリーズから見ていきましょう!
金の卵シリーズは、力を入れず軽く押すだけで切断できるとまで言われるほど、非常に優れた切断砥石です。
ステンレス鋼だけではなく一般鋼材の切断にも適したシリーズなので、初めての方でも安心して利用できます。
刃厚1.0mmのタイプは両面補強でありながらも薄刃であるため、切断時間が非常に短い点が魅力的です。
刃厚1.6mmのタイプは切れ味に耐久性がプラスされたバランスの良い砥石で、長時間の使用を検討している方に適しています。
刃厚2.3mmのタイプは「高研削砥材」と「高耐久結合剤」の組み合わせによって、非常に優れた耐久性が魅力的なモデルです。
各々が非常に優れた特徴を持ちながらコストパフォーマンスの良さも好評なので、一度は試されてみるのも良いかもしれません。
レヂボン 飛騨の匠 ゼロハチ 105×0.8×15mm
参照:
『amazon』
販売ページは↓をタップ♪
次に紹介するのは、極薄の切断砥石を探している方にお勧めしたい『飛騨の匠』シリーズ!
厚み0.8mmのタイプは、切り始めがとてもスムーズで切断スピードも早く、仕上げ精度にも優れているのが特徴です。
但し、0.8mmという薄さゆえに刃の耐久度が低い為、コスト面での負担が増えてしまうので少しネックに感じるかもしれません。
厚み1.0mmのタイプは、0.8mmのタイプと比較すると切断スピードはやや劣りますが、耐久度が高くなりどんな場面でも使用しやすい仕様となっています。
いずれも良い特徴を持つ切断砥石なので、極薄で安心して使える切断砥石を探している方は、飛騨の匠シリーズを試してみることをお勧めします。
SK11 黒砥 ステンレス・金属用 A60P 105×1.0×15mm
参照:
『amazon』
販売ページは↓をタップ♪
最後にコストパフォーマンスに優れた『黒砥』シリーズについて紹介していきます。
黒砥シリーズは、切断砥石の中でも非常にコストパフォーマンスに優れたモデルとして評価されています。
1.0mmタイプは極薄で切断スピードに優れており、仕上がりも良いので効率を重視して作業をしたい方にお勧めです。
1.6mmタイプは、耐久度と切断スピードのバランスが良い万能な切断砥石なので、様々な場面で重宝される優れものです。
2.3mmタイプは、耐久性に特化したタイプでとても丈夫で長く使用できる為、コスト面での負担を1番軽減できます。
黒砥シリーズは厚みの種類が豊富で用途による使い分けがしやすいので、数種類試した上で最適なものを決める人もいます。
いずれも価格が手頃で使い勝手も良いので手頃な切断砥石を探している方は、この黒砥シリーズを試してみてはいかがでしょうか。
紹介した切断砥石を含む、製品比較動画がございましたので掲載しておきます。是非一度ご確認ください。
ディスクグラインダーは非常に便利な工具ですが、使い方を間違えると非常に危険です。
その為、ディスクグラインダーの切断砥石を使用するにあたって禁止事項や罰則規定が存在します。
禁止事項と罰則規定の内容をしっかりと理解し、安心して使用できる様に確認していきましょう。
ディスクグラインダーで切断砥石を使用する際、禁止事項があるのでしっかり覚えておきましょう。
気になるその内容ですが『切断砥石の側面の使用』が禁止されています。
《労働安全衛生規則第120条(研削といしの側面使用の禁止)》
事業者は、側面を使用することを目的とする研削といし以外の研削といしの側面を使用してはならない。
引用:
ほとんどの方が、禁止されているかどうかを問わずに円周部分を使用して正しく切断されていると思います。
中には「側面を上手く使えないか?」と考えたことがある方もいるかもしれませんが、非常に危険で禁止されている為、絶対に使用しないよう注意しましょう。
先の項目では禁止事項についてお話しましたが、罰則についても触れていきます。
日本国内でディスクグラインダーに切断砥石を装着して作業をする際、切断砥石用の「砥石カバー」を装着しなければ罰則の対象となります。
■安全衛生法の該当部分
(研削といしの覆(おお)い)
第百十七条 事業者は、回転中の研削といしが労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは、覆(おお)いを
設けなければならない。ただし、直径が五十ミリメートル未満の研削といしについては、この限りでは
ない。(規格に適合した機械等の使用)
第二十七条 事業者は、法別表第二に掲げる機械等及び令第十三条第三項各号に掲げる機械等につい
ては、法第四十二条の厚生労働大臣が定める規格又は安全装置を具備したものでなければ、使用しては
ならない。
引用:
『労働安全衛生規則 第二編 安全基準 第一章 機械による危険の防止|安全情報衛星センター』
『労働安全衛生規則 第一編 第三章 機械等並びに危険物及び有害物に関する規制|安全情報衛星センター』
■安全衛生法の罰則規定
第百十九条 次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
一 第十四条、第二十条から第二十五条まで、第二十五条の二第一項、第三十条の三第一項若しくは第
四項、第三十一条第一項、第三十一条の二、第三十三条第一項若しくは第二項、第三十四条、第三十
五条、第三十八条第一項、第四十条第一項、第四十二条、第四十三条、第四十四条第六項、第四十四
条の二第七項、第五十六条第三項若しくは第四項、第五十七条の四第五項、第五十七条の五第五項、
第五十九条第三項、第六十一条第一項、第六十五条第一項、第六十五条の四、第六十八条、第八十九
条第五項(第八十九条の二第二項において準用する場合を含む。)、第九十七条第二項、第百五条又
は第百八条の二第四項の規定に違反した者
二 第四十三条の二、第五十六条第五項、第八十八条第六項、第九十八条第一項又は第九十九条第一項
の規定による命令に違反した者
三 第五十七条第一項の規定による表示をせず、若しくは虚偽の表示をし、又は同条第二項の規定によ
る文書を交付せず、若しくは虚偽の文書を交付した者
四 第六十一条第四項の規定に基づく厚生労働省令に違反した者
引用:
上記のように明確な罰則が定められているため、ディスクグラインダーに切断砥石を装着する際には「砥石カバー」を装着する必要があることを覚えておいてください。
禁止事項や罰則対象に触れないためには、切断砥石と砥石カバーの両方で信頼できる「国内のブランドメーカー」を選ぶのが良いでしょう。
先ほど挙げた禁止事項や罰則対象は日本でのみ適用となります。その為、日本で正規展開していない海外ブランドや輸入品などの場合は砥石カバーがない可能性があります。
当然それらを使用してしまうと罰則対象となる為、「アクセサリ」や「オプション」で切断砥石カバーの購入が可能な「国内のブランドメーカー」を選ぶことをお勧めします。
海外ブランドや輸入品でも社外品のカバーを装着できる場合がありますが、サイズや装着感が異なる物もあるため国内ブランドを選んでおくと無難だと言えるでしょう。
「ディスクグラインダーの切断砥石とは?」という基本的な内容から、お勧めのシリーズなどを通じて各々の魅力について触れてきました。
また禁止事項や罰則規定についても解説し、危険があるからこそ安全衛生規則にて法で定められていることを理解していただけたと思います。
ですが今回解説した基本的な内容さえ理解していれば、ディスクグラインダーを正しく使用することが可能となり、今まで以上に活用していただけることでしょう。
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