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2023.12.18

マルチインパクトとは?性能や機能・選び方・おすすめモデルまで一気に解説!

マルチインパクトとは?性能や機能・選び方・おすすめモデルまで一気に解説!

インパクトドライバーやドリルドライバーは聞いたことがあるけれど、「マルチインパクト」という電動工具はあまり聞いたことがないという方が多いのではないでしょうか。

 

もしあなたが「1台の電動工具でネジ締めと穴あけができればいいのに」と感じていれば、マルチインパクトがおすすめです!

 

ただしマルチインパクトにはデメリットもあるので、しっかりと理解しておくことが大切です。

 

今回は、マルチインパクトについて以下の内容がわかる記事になっています。

 

・マルチインパクトの機能と性能・メリットとデメリット
・マルチインパクトの選び方
・おすすめマルチインパクト4選

 

「マルチインパクトについて知りたい!」という方に役立つ内容になっているので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね!

 

マルチインパクトとは?なぜ最近見かけないのか

先に結論を言うと、マルチインパクトは建設現場でのネジ締めや穴あけなどハードな作業には対応できない電動工具です。

 

「だったらどんな作業ができるの?」と感じた方が多いと思いますが、マルチインパクトは1台で2台分の機能を搭載していることから、高い負荷がかからない作業で、導入コストをおさえて持ち運びを便利にすることができます。

 

ここからは、

1.マルチインパクトの特徴や機能
2.なぜ最近見かけないのか
3.マルチインパクトはどんな作業におすすめなのか

この3点について解説していきます。

 

マルチインパクトとは?できること

マルチインパクトとは、インパクトドライバーとドリルドライバーの機能を兼ねそろえた電動工具のことです。

 

メーカーによって「マルチインパクト」や「マルチドライバ」「インパクトドライバ」など呼び方が異なりますが、基本的な性能や機能は同じです。

 

・マキタ:インパクトドライバ
・ハイコーキ:電子パルスドライバ
・パナソニック:マルチインパクト

 

1つの電動工具に、インパクトドライバーでできるネジ締めと、ドリルドライバーでできる穴あけを行うことができます。

 

本来であれば2つの電動工具を用意しなければいけない作業でも、マルチインパクトがあれば1台の電動工具で2つの作業ができるので、導入コストをおさえて作業効率を高められると期待された製品でした。

 

実際にパナソニックのEZ75A9を使用して実演されている動画がありましたので良ければご覧くださいませ。

 

マルチインパクトの衰退

マルチインパクトは、電動工具のバッテリーにニカドバッテリーが採用されていた後期頃から、現在主流のリチウムイオンバッテリーの登場初期頃に製造されていました。

 

しかし現在では、インパクトドライバーやドリルドライバー単体の性能がとても優れているのであまり使われる機会はなくなってきています。

 

例えば現在のインパクトドライバーは、最大締付トルクは180N・mとハイスペックなモデルが登場していますが、マルチインパクトではここまで高いトルクは発揮できません。

 

ドリルドライバーとしての性能も同じく、現行モデルのドリルドライバーと比べると2倍近い性能の差が生まれるようになりました。

 

さらに現行モデルのインパクトドライバーは本体全長が115mmとコンパクトなモデルもありますが、マルチインパクトは170mmと大きなボディのものがあるので、持ち運びや取り回しのことを考えると選ばれにくくなっています。

 

こうした性能差が大きく開いただけではなく、マルチインパクトは2つの機能を兼ねそろえた電動工具なので、内部に複数の部品を内蔵しています。そのため故障しやすく、高い負荷がかかるコーチボルトやボルトの締結、ホールソーのような作業に対しては実質使えない状況でした。

 

こうした側面から、マルチインパクトは少しずつ衰退していき、現在ではマキタやハイコーキ、パナソニックなど少ないメーカーでわずかながらラインナップされています。

 

マルチインパクトは使えない?DIY・設備関係におすすめの理由

ここまでマルチインパクトのデメリットについて解説してきましたが、マルチインパクトはDIYや一部のプロユースで高い需要があります。そのため、現在でも絶えることなく製造されているわけです。

 

まずDIYでは、ハードな作業ではなく簡単なネジ締めや穴あけなどを行うことが多く、プロユースでも高負荷の作業が少ない機器の取り付けなど設備工事にはマルチインパクトが最適です。

 

ネジ締めにはインパクトドライバー、穴あけにはドリルドライバーというように、2台用意するのはコストもかかりますし、持ち歩くのも大変。そこで2台の性能を1台に閉じ込めたマルチインパクトは、高負荷がかからないDIYや設備関係者の間で現在も高い需要を誇っています。

 

ここをチェック!マルチインパクトの選び方

マルチインパクトは、インパクトドライバーとドリルドライバーの2つの機能を持っている電動工具なので、基本的にはインパクトドライバーとドリルドライバーの選び方を参考に選んでいきます。

 

ここからはマルチインパクトの選び方を、3つのポイントにわけて解説していきます。

 

サイズ・重量

前述したように、現行モデルのインパクトドライバーやドリルドライバー単体と比べると、マルチインパクトは2つの機能を搭載した電動工具ということもあって、本体や重量が大ぶりです。そのため、サイズと重量についてはよく確認して選ぶようにしましょう。

 

現在販売されているマルチインパクトのサイズは、ヘッド部分の全長171mmと比較的コンパクトなものから、200mm近い大きなモデルもあります。

 

一方で重量については、1.7〜1.9kgとほとんど大きな差はありません。

 

締付け・穴あけの性能

 

マルチインパクトはネジ締めと穴あけの2つの機能を兼ねそろえているので、最大締付トルクや穴あけの性能について確認しておきましょう。

 

トルクと穴あけの両方で言えることなのですが、性能が高ければ高いほど良いというわけではありません。あなたがどのような作業を行うのかによって、適切な性能のマルチインパクトを選ぶことで、精度の高い作業が行えるようになります。

 

サイズや重量、ネジ締めを比較をされている動画がありましたので良ければ参考にされてみてください。

 

静音性

前述したように、マルチインパクトはDIYや設備関係者におすすめの電動工具なので、住宅地などの屋内で作業することを前提に静音性に注目したほうがいいでしょう。

 

マキタやパナソニックなど、各社がマルチインパクトを販売していますが、比較的高い静音性を誇るのがハイコーキの電子パルスドライバです。

 

特に大きな音が気になるインパクト時は、モーターの正転と逆転を高速で繰り替える「電子パルス動作」の打撃によって、静音インパクトドライバーレベルの静音性を実現しています。

 

ハイコーキのWM10DBLであれば、67dBという圧倒的な静音性を実現しているので、静音性にこだわりたいのであればハイコーキの電子パルスドライバがおすすめです。

 

どれを選んだら良い?メーカー別おすすめ製品4選

選択肢が少ないからこそ、逆にどのマルチインパクトを選んだら良いのか悩む方が多いと思います。

 

マルチインパクトを販売するおすすめの国内メーカーは、マキタ、ハイコーキ、パナソニックの3社なので、ここからは各社でおすすめのモデルを紹介していきます。

 

マキタ TP141DRGX(18V/6.0Ah)

機能 インパクトモード
震動ドリルモード
ドリルモード
ネジ締めモード
最大締付トルク 150N・m
発売年 2011年
寸法(mm) 171×79×250
(長さx幅x高さ)
木工穴あけ φ12mm(高速)
鉄工ドリル穴あけ φ6.5mm(高速)
コンクリート穴あけ φ8mm(震動ドリル)
重量 1.7kg
(BL1860B装着時)

 

マキタの充電式4モードのマルチインパクトです。

 

回転と打撃のインパクトモード、回転と震動の震動ドリルモード、回転のみのドリルモード、回転と電子クラッチのネジ締めモードの4つのモードを自由に切り替えられるので、幅広い作業に対応しています。

 

クラッチは1〜9段階に調節することができて、高速もしくは低速で18段階のトルクを設定することが可能です。

 

ハイパワーで耐久性の高いブラシレスモーターを採用していますが、多機能のため高い負荷がかかると壊れやすいので常に注意が必要です。

 

ハイコーキ WM10DBL(10.8V)

参照

Amazon

機能 電子パルスモード
ボルトモード
テスクモード
ドリルモード
電子クラッチモード※
最大締付トルク 20N・m
発売日 2012年
寸法(mm) 139×216
(全長×高さ)
木工穴あけ φ12mm
鉄工ドリル穴あけ φ5mm
モルタル穴あけ φ6mm
重量 1.2kg
(BCL1030M装着時)

※初期モードでは非搭載の為、通信アダプタソフトを使用

 

ハイコーキ(日立工機)が販売するWM10DBLは、静音性に特化したマルチインパクトです。

 

騒音が気になるインパクト時に、モーターの正転と逆転を高速で繰り返す「電子パルス動作」による打撃で、67dBまでの低騒音を実現しております。

 

67dBは、1m離れた位置でのやかんの沸騰音や、2m離れた位置でのセミの鳴き声と同程度の音の大きさです。

 

10.8Vでブラシレスモーターを搭載しており、別売りの通信アダプタを使えば動作モードの選択や書き換えも可能。A〜Dまでのモードを切り替えることで、幅広い作業が可能になります。

 

パナソニック EZ75A9

参照

Amazon

機能 インパクトモード
ドリルHighモード
ドリルLowモード
最大締付トルク 135N・m
発売日 2019年
寸法(mm) 198×61×242
(全長×全幅×全高)
EZ9L54装着時
木工・米松穴あけ φ18mm
ホールソー・SPC穴あけ ドリルドライバー
Highモード
φ21mm
ドリルドライバー
Lowモード
φ33mm
重量
1.9kg
(EZ9L54装着時)

 

壊れやすい傾向にあるマルチドライバーのなかでも、比較的耐久性が高いマルチインパクトが、EZ75A9です。

 

鉄工ドリル穴あけがφ33mm、木工でφ35mmと頼れる穴あけ性能を持っているので、大型の穴も開けることが可能です。

 

ドリルドライバーHighモード、ドリルドライバーLowモード、インパクトモードの3つのモードを切り替えることで、幅広い作業に対応しているのでプロユースにおすすめです。

 

 

パナソニック EZ7548(14.4V/4.2Ah LSタイプ)

参照

Amazon

機能 インパクトモード
ドリルHighモード
ドリルLowモード
最大締付トルク 130N・m
発売日 2012年
寸法(mm) 198×234×61
(全長×全高×全幅)
EZ9L45装着時
木工穴あけ φ18mm
鉄工ドリル穴あけ φ33mm
コンクリート穴あけ
重量 1.8kg
(EZ9L45装着時)

 

マルチインパクトのなかでも、「DIYで使うだけだからシンプルな機能がいい」という方は、パナソニックのEZ7548がおすすめです。

 

こちらのモデルも大経の穴あけが可能で、Lowモードでφ33mmの穴あけができます。

 

他にも型枠作業をスピーディーにこなすインパクトモードも搭載されているので、シンプルな機能で、パワフルな働きぶりを期待したい方におすすめのモデルと言えます。

 

まとめ

マルチインパクトは、インパクトドライバーのネジ締めと、ドリルドライバーの穴あけを1台でこなすことができる電動工具です。

 

1台で2台分の仕事ができるので、導入コストをおさえたい場合や、持ち運びなどさまざまな部分で利点が大きいと期待されていましたが、最近ではインパクトドライバー、ドリルドライバー単体での性能が高くなってきたのであまり見かけなくなってきました。

 

しかしマルチインパクトはDIYや設備関係など、高い負荷がかからない作業にぴったりの電動工具です。

 

「どのマルチインパクトにしようかな?」と悩んだら、今回ご紹介した選び方のポイントと一緒に、おすすめモデルをぜひ参考にしてみてくださいね!

 

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