2023.08.17
ハイコーキ(HiKOKI)、マルチボルトバッテリーBSL36A18とBSL36B18の違いを徹底解説!
2017年8月24日から全国の取扱店やホームセンターなどで発売されたハイコーキ(旧日立工機)のマルチボルトバッテリーですが、近年様々な種類のバッテリーが発売されています。
現在販売されているマルチボルトバッテリーの中で「違いが分かりにくい」と感じる方も多いのではないのでしょうか?
今回はマルチボルトバッテリーのBSL36A18とBSL36B18の違いについて詳しく解説していこうと思います。
目次
ハイコーキが売り出しているマルチボルトバッテリーはもうバッテリーは一つでいいというコンセプトをもとに、18V対応の工具と36V対応の工具を一つのバッテリーで使用できる画期的なバッテリーとなっております。
36V対応工具と18V対応工具では刺さる端子が違うため36V対応の工具に装着すれば36Vに、18V対応工具に装着すれば18Vにとバッテリー側で自動で調整して切り替わります。
特に難しい設定をすることなく、バッテリー自体が自動で切り替えてくれますので心配は無用です。
しかし、マルチボルトバッテリーが販売される前に製造されている36V対応の電動工具には、マルチボルトバッテリーが対応しておらず使用する事が出来ません。
マルチボルトバッテリーとは別で現在は取り扱い終了している【BSL3660】という型番号のリチウムイオン電池がありますが、マルチボルトバッテリーとは違う為注意が必要です。
現在ハイコーキが推奨している充電器(UC18YDL)や(UC18YDL2)などもマルチボルトバッテリーに対応しているので新しく充電器を買いなおす必要もありません。
別途充電器についての詳しい解説を行っている記事がございますのでよければご参照くださいませ。↓
「ハイコーキの充電器、UC18YDLとUC18YDL2の違いについて詳しく解説」
何度かマルチボルトバッテリーと記載させて頂いていますがハイコーキのマルチボルトバッテリーの品名は「バッテリー」ではなく「蓄電池」といった表記をされています。
しかし表記が違うだけで他社と同じくバッテリーと変わりないので各種対応の電動工具にご使用頂けます。
ではここからは「BSL36A18」と「BSL36B18」とで、どういった違いがあるのかについて深堀りしていきましょう。
金額の違いや、大きさなどバッテリーに求める内容でどちらがおすすめとなる部分がありますので参考にして頂ければと思います。
寸法(全長×高さ×幅):116mm×69mm×76mm。
マルチボルトバッテリーとして一番最初に発売されたモデルになります。
「BSL36A18」はマルチボルト対応電動工具のセット販売品で展開されていて、発売当初からマルチボルトバッテリーを使用されている場合は馴染みあるバッテリーではないでしょうか?
ですが、最近では新たな機能としてBluetooth搭載モデルや高耐久モデルなどが販売されており、2023年8月現在は後程ご紹介させて頂く「BSL36A18X」が発売され主流となっております。
このバッテリーには18650サイズと呼ばれるセルが搭載されており、下記にてセルの違いについて取り上げておりますのでご確認いただければと思います。
寸法(全長×高さ×幅):134mm×75mm×83mm
マルチボルトシリーズの大容量マルチボルトバッテリーとして展開されているのが「BSL36B18」です。BSL36B18では国内初の21700サイズの大型セルを採用し、国内電動工具用バッテリーではトップクラスの容量を実現しています。
特徴として18Vにて動作時には8.0Ahと圧倒的な大容量となります。高い連続作業性と高出力性能を兼ね備えたバッテリーです。
バッテリー単体で購入する方が多いかと思いますが、BSL36B18のバッテリーが入ったセットで販売されている、コードレスハンマドリルの「DH36DSA(2WP)」やコンクリートバイブレータ「UV3628DA(WP)」といった製品も販売されています。
ただ、大型セルの搭載によってバッテリーサイズが若干大きくなり一部の電動工具では非対応なので、検討中の電動工具は使用可能なのか確認が必要となります。
では「BSL36A18」と「BSL36B18」の規格や金額など、どのように違いがあるのか比較してみました。
名称 | BSL36A18 | BSL36B18 |
電圧 | 18V-36V | 18V-36V |
容量 | 18V-5.0Ah 36V-2.5Ah |
18V-8.0Ah 36V-4.0Ah |
重量 | 702g | 986g |
寸法(mm) (全長×高さ×幅) |
116×76×69 | 134×75×83 |
希望小売価格 | 25,800円 (税抜き) |
29,400円 (税抜き) |
販売年 | 2017年 | 2018年 |
参照
まずは大きさの違いを見ていきましょう。画像上段が「BSL36B18」で下段が「BSL36A18」です。
写真からも分かる通りやはり「BSL36B18」の方が一回り大きくなっております。
高出力・高容量タイプのBSL36B18は、小型軽量タイプのBSL36A18と比べると、出力は約1.3倍、容量は約1.6倍となります。重さは小型・軽量タイプBSL36A18より少し重い、9.86gとなります。
BSL36A18を選ぶ際のメリットは使用出来る工具が多い事と重量の軽さですね。
BSL36B18を選ぶ際のメリットは大容量で長時間強い力で使用できる部分となります。
では価格についてはどうでしょうか?
先に表で記載はしておりますが、「BSL36A18」は25,800円(税抜き)に対して、「BSL3618」は29,400円(税抜き)と約3,000円程の違いがあります。
ですがこの価格の差で大容量のバッテリーが使える点に関して、嬉しいと感じるユーザーも多いのではないでしょうか?
リチウムイオンバッテリーのセルは、電池の構成単位であり、正極(電位の高い方の電極)には酸化リチウム、コバルト酸、リチウムマンガン酸などが使用されています。
負極(電位の低い方の電極)にはカーボンが用いられ、有機溶媒(他の物質を溶かす性質をもった有機化合物)を介してリチウムイオンが移動し、有機フィルムでセルが断絶されています。
これらが金属缶に封入されてリチウムイオン電池のセルが形成されます。
今回ご紹介させて頂いているマルチボルトバッテリー、BSL36A18のセルは3.6Vを10本単電池ではなく組電池として使用している為36Vとなっております。
リチウムイオンバッテリーは、複数のセルを接続して特定の電圧・出力・容量を得るためのもので、乾電池は単一のセルであり、バッテリーは複数のセルが組み合わさっています。
セルは直径と長さの違いによって異なる規格が存在し、例えば18650セルや21700セルなどがあります。
これらはリチウムイオンバッテリーの構成要素であり、バッテリーの性能や容量に影響を与えます。
セルの違いにより、容量やランタイムが変わるため、電気自動車などでよく使われる21700セルは18650セルよりも容量が多く、長時間の利用が可能です。
リチウムイオンバッテリーは非常に活性な素材であり、過充電や衝撃によって発火や燃焼事故のリスクがあるため、注意が必要です。
セルバランスを保つために、パッシブ方式とアクティブ方式の2つの方法があります。
パッシブ方式は余剰エネルギーを熱で消費することでセル電圧を下げるが、エネルギー効率が低いです。
アクティブ方式はセル間でエネルギーを移動させて均等化するが、複雑でコストがかかります。
マルチボルトバッテリーになってからは「形状」+「電圧1」+「アルファベット」+「電圧2」+「その他機能」となっています。
BSL36A18(B)
青色になっている部分のアルファベットはハイコーキのスライド式リチウムイオン電池を表しています。
差し込み式のリチウムイオン電池は「EBM」や「BCL」といった表記が使用されています。
緑色になっている36と18の部分はボルト数です。
電圧1の「36」という数字が36Vを表しており「18」という数字が18Vを表しています。
現在ハイコーキが出している電圧が二つ存在するバッテリーはご紹介させて頂いた「36」と「18」のみとなっております。
マルチボルトバッテリーは電圧1が大きくて電圧2が小さい傾向にあるので、今後もそういった記載のバッテリーが発売されていく可能性がありますね。
赤色になっているAの部分はAhの違いを表しております。
現在販売中のマルチボルトバッテリーで、Aだと2.5Ah、Bだと4.0Ah、Cだと1.5Ahといった意味合いになっております。
黒色になっている()のB部分ですが、BSL36A18のバッテリーにBluetooth機能が付いているものは(B)の表記がされていて、耐久性が上がった最新のマルチボルトバッテリーには(X)といった表記がされています。
耐久性が上がったマルチボルトバッテリーでありながら、更にBluetooth機能がついている「BX」といったバッテリーも販売されています。
上記でもお伝えさせて頂きましたがマルチボルトバッテリーとして一番最初に発売された初期型のモデルとなります。
最近ではマルチボルトシリーズの普及を図るべく、さまざまなキャンペーンが実施されています。
初期に発売された為、マルチボルトバッテリーの中では比較的安価なバッテリーなのが特徴です。
BSL36A18Bは先程のBSL36A18のバッテリーにBluetoothの機能が搭載されたモデルになります。
バッテリーにBluetoothコントローラーを搭載して、マルチボルトバッテリーに対応のコードレス工具や集じん機との無線連動を実現したのがBSL36A18Bです。
本体側ではなくバッテリー側にBluetoothコントローラーを搭載したことによって、バッテリー差し替えによってマルチボルトバッテリー対応している工具が全て無線連動に対応できるようになりました。
Bluetoothが搭載されたこと以外にバッテリーの仕様に違いは無く、BSL36A18と同一のスペックです。
またバッテリーの初期不良はBluetooth接続で携帯と連携することにより修理できることがあります。
実際修理をされている動画もございましたのでご参考頂ければと思います。
2023年8月時点でマルチボルトバッテリーシリーズの中で一番新しく発売されたマルチボルトバッテリーです。
BSL36A18とBSL36A18Bの二つと比べて少しだけサイズが大きくなっています。
新しくなった点は主に2点あります。「底面に2層成形エラストマ採用で、落下時の耐衝撃性能がアップ」「耐水シートと排水口の追加により耐水性能もアップ」しております。
ただ、バッテリーの性能は上記でも紹介しましたBSL36A18と同等です。
プロ用途ではじめて電動工具一式を買うのであればスペックはBSL36A18と同じですが、耐久性が高い為最もおすすめできるバッテリーです。別途Bluetooth接続機能が搭載されたBSL36A18BXも同時発売されております。
名称 | 大きさ (全長×高さ×幅) |
Bluetooth |
BSL36A18 | 116mm×69mm×76mm | 無し |
BSL36A18B | 116mm×69mm×76mm | あり |
BSL36A18X | 118mm×80mm×71mm | 無し |
現在マルチボルトシリーズの主力バッテリーとして展開しているのが「BSL36A18X」ですが初期のマルチボルトバッテリーと比べて値段の差はどのくらいあるのか見ていきましょう。
名称 | BSL36A18 | BSL36A18X |
希望小売価格 | 25,800円 (税抜き) |
29,400円 (税抜き) |
参照
あくまでも希望小売価格ですが値段は3000円程しか変わらないので、コストにこだわらず購入されるのであれば、耐久性の高い最新型のBSL36A18Xを選ぶ事をオススメします。
複数ご購入される場合やまずはお試しでマルチボルトバッテリーを使用してみたい方など金額を気にして少しでもお安く求めたい方は初期型のBSL36A18をオススメします。
マルチボルトバッテリーのメリットは互換性の幅広さとなっておりますが、接点端子の構造やバッテリーサイズの変更などがあり、一部の18Vのコードレス電動工具への装着が非対応となっております。
同じ製品名であっても日立工機ブランドとHiKOKI(販売時期の違い)によって、マルチボルトバッテリーへの装着対応がない製品もあるため、マルチボルトバッテリーを18Vコードレス電動工具に装着する場合には確認が必要です。
製品 | 製品名 | BSL36A18 | BSL36B18 |
高速ドリル | D18DBHL | 〇 | × |
ロータリハンマドリル | DH18DBL、DH18DBDL | 〇 | HiKOKIのみ |
ディスクグラインダ | G18DBBVL、G18DBBAL G18DBVL、G18DSL |
〇 | HiKOKIのみ |
クリーナ | R18DSAL | 〇 | × |
ニブラ | CN14DSL、CN18DSL | 〇 | HiKOKIのみ |
シャー | CE14DSL、CE18DSL | 〇 | HiKOKIのみ |
マルチツール | CV18DBL | 〇 | HiKOKIのみ |
チップソーカッタ | CD18DBL | 〇 | × |
集じん丸のこ | C18DYBL | 〇 | × |
丸のこ | C18DBL | 〇 | × |
丸のこ | C18DBAL、C18DSL | 〇 | HiKOKIのみ |
ラジオ付きテレビ | UR18DSML | 〇 | × |
ラジオ | UR18DSL、UR18DSL2 UR18DSAL、UR18DSDL |
〇 | × |
扇風機 | UF18DSDL | 〇 | × |
高圧洗浄機 | AW18DBL | 〇 | × |
BSL36A18とBSL36B18の違いは主に「大きさ」「価格」「値段」の三つとなります。
マルチボルトバッテリーにもBluetooth搭載型や耐水が強化されたバッテリーなど様々な種類があります。
ですが、どのバッテリーを選んでも36Vで使用できる工具はほぼ変わらないので、今回ご紹介した記事を参考にして頂きご検討頂ければと思います!
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