2023.11.07
【この記事でわかる】シャーとはどんな工具?特徴や選び方についてもシンプルに解説!
板金の切断には欠かせない電動工具のシャーですがインパクトドライバや丸ノコなどと違い、一般的にはあまり知られていません。
「シャーって結局、どうゆう工具なの?」とお悩みの方や「今使っているシャーよりも自分に合ったシャーってあるの?」と気になっている方もいるのではないでしょうか?
シャーは非常に便利な電動工具ではありますが、馴染みのない人にとっては特徴や詳細がわかりにくくなっています。
そこで今回はシャーとは何かといった基本的なお話から、その特徴や選び方についてもわかりやすく解説をしていきたいと思います。
お仕事はもちろん個人のDIYでも活用する人が増えきている電動工具のシャー、気になっている方はぜひ当ページの各項目に目を通してみてください。
目次
まずはそもそもシャーとは何かと言った基本的な部分からお話をしていきたいと思います。
シャーとは「シャーリングカット」と呼ばれる切断を行う電動工具を指します。板金加工などで素早く金属切断ができるため、板金を専門とする業者にとっては必要不可欠な工具です。
ちなみにシャーリングカットとは原理としてはハサミと同じ切断であり、「二つの刃」の間に板金を挟み込むことによって切断を行います。
ハサミと違う部分としては、シャー(電動)の場合には、挟み込む刃の部分にモーターがつながっているため、刃の往復運動によって効率的に切断を行うことができます。切断のスピードが非常に早く、それでいて切り屑が発生しないため板金加工をする上で非常に役立つ工具です。
ここからはシャーの種類や特徴についてお話をしていきます。シャーには種類があるため、用途にピッタリなシャーを選ぶためにも各々の特徴について把握しておきましょう。
まずは一般的なシャーについて触れていきたいと思います。
金バサミと同じ原理で金属を切断することができるシャーで、刃の形状が少し小さく見えるモデルが多いです。モデルによってはハンドシャーなどと呼ばれることもあります。
凄まじい速度での振幅が特徴的であり、小さい刃でも金バサミとは比べ物にならないレベルでのスムーズな切断を実現しています。
切断原理自体は金バサミと同じなので、切断した板金は多少歪みがちです。厚く小さく切り出す場合ほど歪みが大きくなる点には気をつけて活用する必要があります。
反りやバリが発生しやすいというデメリットもありますが、それでも非常に便利な電動工具であることに変わりはなく、用途を選び活用すればとても頼りになります。
次にストレートシャーについて触れていきましょう。
ストレートシャーは一般的なシャーと同じ作用によって切断をする工具ではありますが、切断の方法が少々異なります。
ストレートシャーは3つの刃で切り抜く工具です。なので切り屑は発生してしまうものの、バリが出にくく綺麗に高精度な切断をすることができる点が特徴です。またストレートシャーは「窓抜き」にも対応しているので、そういった用途で電動工具を探している人にもピッタリだと言えるでしょう。
デメリットを挙げるとすれば3枚の刃は形状も大きく、交換などのコストを考えると一般的なシャーよりも負担が大きくなってしまいます。とは言え先に挙げたようなメリットがあるため、様々な用途で活躍してくれます。
ストレートシャーと二ブラでの窓抜きを比較している動画がございますので是非ご参照ください。
シャーと比較されがちな「ニブラ」との違いについて、簡単に解説していきたいと思います。
まずはじめにシャーと二ブラでは切断をする原理に違いがあります、シャーがハサミであれば二ブラは穴あけパンチのような原理で切断を行います。なので二ブラで切断をした場合は三日月のような形状の切り屑が発生します。
またもう一つの違いとしては用途の違いが挙げられます。簡単に言うと「真っ直ぐに切断したいならシャー」、「曲線に切断したいなら二ブラ」というような選び方をするといいでしょう。
ニブラは切断中に自由に方向を変えることができ、また材料がデコボコしていても切断することができるので、用途や切断したい材料ににあわせて工具を選ぶのことが重要です。
ここからはシャーのタイプについてお話していきたいと思います。
そこまで気にしない人もいるかも知れませんが、使用用途や場所によっては大切なポイントとなりますので、各項目に目を通してみてください。
まず1つ目のシャーのタイプとして、充電式タイプが挙げられます。
充電式はその名の通り充電をして利用することができるタイプのシャーですので、コードなどが不要で作業場所を限定せずに利用することができます。
大きな材料を切断する場合にはコードが邪魔になってしまいますし、電源供給が難しい場所の作業でも充電式なら問題なくどこでも利用することが可能です。
出先やコンセントが遠い現場での板金切断など、電源面での供給が難しい現場に赴く際には非常に頼もしく、また単純にコードを気にせずに気軽に素早く切断をすることができるため、取り回しも良く使い勝手が抜群なタイプが充電式シャーだと言えるでしょう。
次に2つ目のシャーのタイプとして、コード式タイプについても触れていきましょう。
先の充電式とは違いコンセントを差す場所が必要となりますが、充電切れを気にせずに使うことができます。電源面の供給を気にする必要のない事務所や作業場などでの作業では、充電式よりコード式のほうがオススメです。
もちろんコードがあるため邪魔に感じてしまう部分もあるかもしれませんが、同じ場所での作業や自身は動かずに材料を動かして切断するようなシーンでは問題なく活用することができます。
充電式タイプの方が便利に感じる人も多いのですが、コードが邪魔にならない作業やコンセントでの電源供給に問題がない使用では、敢えて充電式を選ばずにコード式を選ぶ方がメリットが大きい場合もあります。
使用場所や切断する材料は人によって様々ですので、充電式かコード式かお悩みの際には上記の内容を参考にしてみて下さい。
ここからはシャーの選び方について解説していきたいと思います。
人によって使用用途や扱う材料に違いがあるため選び方も様々だとは思いますが、購入後に後悔をしないためにも、基本的な選び方についてチェックしてきましょう。
まずシャーの選び方としては、切断材の厚みにあわせて選ぶことが大切です。
一般的なシャーは薄い素材を切断するために作られているため、刃の間に挟み込めないほどの厚さの素材は切断することができません。例えばシャーでステンレスを切り出すような場合は、一般的なシャーでは最大2.5mm、ストレートシャーであれば最大1.2mmを目安として考えると良いでしょう。
場合によってはそれ以上の厚みを切断できる設計のシャーもありますが、基本的には上記の厚みを目安としつつ、切断したい素材の厚みにあわせたシャーを選ぶのがオススメです。
次に切断する材質にあわせてシャーを選ぶことも大切な要素です。一例を挙げるのであれば、「金板・軟銅板・アルミニウム板・黄銅板・ステンレス板」などが挙げられます。
シャーは非常に便利な電動工具ですので、あらゆる場面での金属板金を切断できるように思われがちですが、切断したい素材にあわせて選ぶことが大切です。
そして先に挙げたように一般的なシャー、ストレートシャーでは切断面や反り、バリの有無などにも違いが出てくるため、そのあたりも含めて選ぶのがスマートな選び方だと言えるでしょう。
活用するシーンや材質にあわせてシャーを選ぶことがシンプルかつ非常に重要なシャーの選び方だと言えます。
ここからはシャーのメーカー、そして製品の一例についてご紹介したいと思います。
まず、シャーを販売しているメーカーのひとつとしてマキタがあります。いろいろな工具を扱っているマキタですがシャーに関しても人気が高く、多くの方に使われています。他にもハイコーキやボッシュなどのメーカーからも販売されています。
シャーを選ぶ際にメーカー以外にも定番のモデルを知っておきたいという方も多いのではないでしょうか。
定番モデルや人気モデルの中からいくつかをピックアップして紹介していきたいとおもいますので、購入の際にはぜひ参考にしてみてください。
まずはマキタの充電式ストレートシャーについて紹介していきます。
JS161DRG |
|
ストローク数 | 4,300回/分 |
最大切断能力 軟鋼板 |
1.6mm |
最大切断能力 ステンレス板 |
1.2mm |
最大切断能力 アルミニウム板 |
2.5mm |
本機寸法 長さ×幅×高さ |
362mm×78mm×118mm |
質量 | 2.0kg (バッテリ含む) |
参照
マキタの充電式ストレートシャーは充電式なので作業時にコードを気にする必要がなく、どんなシーンでも快適に作業をすることができます。また対応したリチウムイオンバッテリーを持っていれば、そのバッテリーを使い回すことも可能です。
切断時に作業がしやすいストレートボディ形状であり、バリが出にくく綺麗な切断面に仕上げることが可能です。部材の板厚にあわせて刃の隙間を簡単に調整することができ、接触幅の狭いサイドブレードで部材が傷つきにくい仕様も高評価の理由です。
バッテリー残量でのオートストップ、再起動防止(警告ランプ付き)などシャーの利用が初めての人でも安心して利用することができます。シンプルで非常に使い勝手の良い一台です。
次にマキタの1.6ミリストレートシャー(コードタイプ)についても紹介していきましょう。
JS1601 (コードタイプ) |
|
ストローク数 | 4,500回/分 |
最大切断能力 軟鋼板 |
1.6mm |
最大切断能力 ステンレス板 |
1.2mm |
最大切断能力 アルミニウム板 |
2.5mm |
本機寸法 長さ×幅×高さ |
20mm×70mm×78mm |
質量 | 1.4kg |
参照
『amazon』
マキタの1.6ミリストレートシャー(コードタイプ)は、充電式とは違いバッテリー残量を気にすることなく活用することができます。先におススメした充電式シャーと比べても切断能力に差はなく、バッテリーと充電器が必要ないことも含め、コスパの良い1台です。
電源の確保や使用中にコードを気にする必要があるものの切断材の変形が少なく、綺麗に切断をできるストレートシャーであり、出っ張りのないブラシホルダとパワフル380Wの仕様は使い勝手が抜群です。
コード式で使いやすいストレートシャーを探している人は、マキタの1.6ミリストレートシャーを試してみるのも良いのではないでしょうか。
最後にハイコーキのハンドシャについて触れていきましょう。
CE16SA (コードタイプ) |
|
ストローク数 | 4,700回/分 |
最大切断能力 軟鋼板 |
1.6mm |
最大切断能力 ステンレス板 |
1.2mm |
本機寸法 長さ×幅×高さ |
250mm×100mm×160mm |
質量 | 1.7kg |
参照
『amazon』
ハイコーキもマキタ同様にシャーのメーカーとしては非常に有名で、各モデルも使い勝手が抜群だと好評なメーカーです。
切断能力は鋼板1.6mm、ステンレス1.2mmと中々に使い勝手が良い性能です。価格もシャーの中では一般的な価格帯ですので、マキタ以外で安定したシャーを探している人はハイコーキのこのモデルを検討してみるのも良いのではないでしょうか。
また、ハイコーキではコードレスの充電式シャーも販売されていますので対応しているバッテリーをお持ちであれば使いまわし可能で非常に便利です。
今回はシャーとは何かといった基本的な部分から、種類や特徴、そして選び方などについても解説をしてきました。
基本的にシャーは電動工具の中でも非常に切断スピードが早く、様々な材質の切断に対応しているので多くのシーンで活躍してくれるでしょう。特に充電式のシャーであれば、場所を問わずに利用することができるので、出先での材料の加工や電源の確保が難しい場所での作業にもおすすめです。
ただし仕上がりに反りや歪み、バリなどが生じるケースもあるため、切断する材料、加工後の利用用途などにあわせてシャーを選ぶことが大切です。
板金を専門に扱う業者では必要不可欠な電動工具であり、最近では本格的なDIYをする個人でも愛用する人が増えてきています。もちろん慣れるまでは慎重に活用しなければ少々危険な電動工具でもあるため、万が一の事故がないように注意が必要です。
シャーの購入を悩まれている方は今回の記事を参考にしつつ、自分にピッタリなシャーを探してみてはどうでしょうか。
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